【雑感にょろり】布で表現する沖縄アイデンティティ。ピースを埋める動画編集。
【雑感にょろり】布で表現する沖縄アイデンティティ。ピースを埋める動画編集。
動画編集はジグソーパズルのピース集め。
今月は、沖縄の「琉球びんがた」と「琉球絣」の商標を広めるための動画の編集作業が続いています。昨年、何度か沖縄に通い、たくさんの織元や工房にご協力をいただいて撮影した、工程やインタビューの素材を、実際に動画としてまとめていく作業です。ジグソーパズルはピースが最初から決まっていて、適切なところにはめ込んでいけばいいのですが、今回の編集はまず膨大な素材の中から、使うピースを選ぶことからスタートです。
「沖縄らしさ」の表現方法。モノだから伝わること。
しっかりと工程を伝える、というのが、今回の私たちの第一の軸ではありますが、紅型にしても琉球絣にしても、沖縄の風土と人々の思想が布に写り込んでいます。特に、沖縄の作り手の皆さんは他の地域と比べても、「沖縄らしさとは何か」ということを、常に考えているような気がします。それは先史時代からの沖縄の交易の歴史や、戦争に翻弄されてきた歴史から、沖縄アイデンティティについて考えざるをえない地理的立場にあったということだと思います。
そのアイデンティティを言葉で表現する人たちもいるでしょうが、布やものづくりを通して再確認したり、表現したりすることの意義もあるように思います。言葉での議論は反発を生んだり、誤解を生んだりすることもありますが、音楽・芸術・物というのは人間の感覚に直接訴えかける力があると思うのです。
沖縄へ思いを馳せながら、地味な作業をコツコツと。
そんな作り手の皆さんの思いが、日々の作業の中から垣間見えるような動画になったらいいなー、という思いで私は編集作業に参加しています。音声を切ったり、動画をつないだり、割と地味な作業が続きますが、倉庫ではんてん着てお菓子食べながら、そんなことを議論して軸を決めていく作業も面白いものです。渡邊