【雑感にょろり】窯入りスニーカーの秘密とは!?伸びるゴムを固める。

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年始の「つくる現場をみてみよう」は、久留米の靴メーカー、ムーンスター!

いよいよ今年も終わりに近づいてきました。今年は11月から「つくる現場をみてみよう」シリーズということで、宮田織物のはんてん、津屋崎人形の企画展と工房見学に挑戦。普段のラインアップだけでは知ることのできない部分や、実際に作ってる現場を見に行くことでしか感じることのできないものを、皆さんにお届けしたい!という思いで来年以降も続けていきます。

年明け一発目は、久留米の老舗靴メーカー、ムーンスター(旧月星化成)。スニーカーや靴の工場というと、完全オートメーションのロボット工場みたいなところをイメージされるかもしれませんが、ムーンスターの久留米工場では「バルカナイズ製法」と呼ばれる昔ながらの製法を今も見ることができます

 

スニーカーで人気のバルカナイズ製法の秘密。アメリカ大陸の天然ゴムとコロンブスが発見。

「バルカナイズ製法」とは、簡単に言うと、スニーカーを120℃の窯に入れて加熱し、びよよーんと伸びてしまう生ゴム部分を固めることで、布地(アッパー)と底のゴム部分(ソール)を強力に接着する製法。日本語でいうと「加硫製法」と呼ばれ、ゴムと硫黄の化学反応によって、ゴムが硬化するという技術なんだそうです。

そもそもゴムが天然のものだってご存知でしょうか?原料は「パラゴムノキ」という木の樹液なのです。もともとアメリカ大陸にしか原生してなかった品種で、1493年にコロンブスが発見。ただその時点ではまだ、ブニブニはしていても、引っ張ると簡単にちぎれてしまう素材だったため、実用化にはしばらく時間を要し、1839年にチャールズ・グッドイヤーによって、この「バルカナイズ製法」が発見されてから、タイヤや靴など、ゴム工業の発展が始まるのです。

 

スニーカーの構造を知って欲しい。出来上がるまでの裏側にわくわく。

ムーンスターさんの工場でも、まだ固まる前のゴムを見せていただきました。色を混ぜたり、形を変えたりできる変幻自在な素材で、スニーカーの色々なパーツを、クッキーの生地のように型だししていきます。そしてそれらを全て貼りあわせ、アッパーの布地の部分を手仕事で一つ一つ張り付けて接着させていくと、スニーカーの形が完成!あとは窯に入れて焼くだけです。

といっても、スニーカー作りの工程はここで書き記せるほどシンプルではなく、もちろん実際はもっと複雑。私たちも伺うたびに新たな発見と疑問満載で帰ってきます。ただ、それはそもそも知らなかったことがあまりにも多すぎたからだろうとも思います。工場見学に参加できるラッキーな方々はもちろんのこと、うなぎのお店で展示予定のスニーカーの断面図や分解パーツなどを通して、いろいろな方に身近なものづくりの裏側を知って頂ければと思っています。

来年もいろいろな現場を紹介していきますので、引き続きお楽しみに。今年の営業は本日から3日間。最後の企画展「ハギレ大フィーバー祭り(勝手に命名)」も開催してますので、是非お待ちしています!渡邊

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