【雑感にょろり】木綿の一生。ハギレたちに第二の人生を。

【雑感にょろり】木綿の一生。ハギレたちに第二の人生を。

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どうしても出てしまうハギレ。もったいない精神でどうにか往生させたい・・・

「もんぺ博覧会 in 八女」もいよいよ佳境に入ってきました。もんぺリピーターの方や、ようやく来れた!っていう方、来てくださり嬉しいかぎりです。今回は久留米絣の工程が分かる動画も会場で上映しているので、会場にいながら、久留米絣の織元に入ってる臨場感も楽しめるようになっています。昔ながらの反物幅で織あられている必然性も、それによって生まれる生地の柔らかさも感じてもらえるのは嬉しい限りです。

着物は反物を切り刻むことなく、ハギレを出さずに仕立てることができますが、もんぺや洋服を作る時はどうしても型通りに生地を切るので、ハギレが出てしまいます。どうしようもなく、捨ててしまったり燃やしてしまったりことも多いと思いますが、作る工程を見ていると一つ一つの柄が括られ、染められ、織られており、捨てるのは本当にもったいない話です。お米一粒一粒を食べなければ!という、日本人が小さい頃から叩き込まれている精神と似たものだと思います。

「木綿往生」シリーズ。久留米絣をボロボロになるまで使って欲しい。

うなぎの寝床では、ハギレは一つも捨てずに、倉庫にたまっていっています。現段階では私たちだけでは、小物を作ったりする余裕がないのですが、きっと有効活用してハギレたちに新たな命を吹き込んでくれる方がたくさんいるはず・・・という思いで、「木綿往生」シリーズとしてハギレと布も、もんぺ博覧会の会場でも販売しています。

「木綿往生」という言葉は、染織家で倉敷民芸館の初代館長も務めた外村吉之介氏が残された言葉。晴れ着として世に誕生した織物が、くたびれて野良着になり、穴があいて雑巾になり、最後は繊維を解いて紐となり、油の中で火を灯して往生する、という木綿織物の一生を説いた考え方だそうです。食べ物と同じように、一切の無駄を出すことなく、すべてありがたく頂くという古来からの考え方が、ものづくりの工程や日本人の布の使い方にも連綿と受け継がれていることを実感する日々です。渡邊

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