【日々のこと】日田下駄をたずねて
先日大分県日田市の下駄屋さん「本野はきもの工業」を訪ねました。数年前から面識はあったのですが、今年の秋にうめだ阪急の催事でまたお会いしたのがきっかけでようやく工場を訪れることができました。下駄に関しては以前からあたためていたものがあったので、それを具体的に進めたいと思って打ち合わせも兼ねて工房を見学させてもらいました。上の写真は今年使ってる日田下駄です。素足で履きたくなる杉下駄の肌触りの良さと、足に程よくフィットする接地面の曲線が心地よいです。
日田下駄の材料となる日田杉は、建材や家具などの木工材として伐採される日田盆地の良質な杉の根元の、木工材として使えない部分を活用しています。まずはじめに、製材屋さんが丸太を下駄枕といわれる角材に製材します。次に、生地屋さんがその下駄枕を下駄の生地に加工します(この段階では下駄の形をしているがまだ荒削りな状態)。生地屋さんが加工した生地は、最後に下駄を製作する工場により表面を仕上げられ、鼻緒をすげて下駄として世に出て行くという分業の流れで一つの下駄が作られています。本野さんは、この中の下駄製作をする工場として生地を仕入れ、下駄を製作販売しています。が、今はこの下駄枕や生地の工房が減少し、後継の問題もあるとのことです。そこで、本野さんは独自に機械を導入し、生地製作にも着手し始めており、先を見据えた動きを始めていました。
輪積された下駄枕。乾燥中。
NCによる生地の削り出し。
削り出された生地のバリなどを取る作業中。
磨き前(右)と磨き後(左)。
鼻緒をすげる。
完成。
さてさて、やらなければならないこと山積み、やりたいことも山積みです。コツコツやっていきます。
ハルグチ