【雑感にょろり】筑前津屋崎人形巧房。土人形が生まれる場所。うなぎの遠足レポート①

【雑感にょろり】筑前津屋崎人形巧房。土人形が生まれる場所。うなぎの遠足レポート①

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津屋崎人形の企画展がスタート。筑前津屋崎人形巧房さんのところへ遠足。

沖縄から戻ってきました、なべこと渡邊です。「沖縄にしては寒いな〜」と思いながら過ごして帰って来たら、福岡はすっかり鍋の季節になっていました(ますます寒くなった方、ごめんなさい)。うなぎの寝床のお店では、今週木曜日から始まる、津屋崎(つやざき)人形の企画展の準備がスタートしています。

津屋崎人形は、福津市(福岡県北部)の津屋崎で作られる土人形で、かわいらしい「モマ笛」は見たことある方もいるのではないでしょうか?うなぎの寝床では「モマ笛」は以前からお店で取り扱っていましたが、今回は「ゴン太」「福助」「まねき猫」などの人形も勢ぞろいし、雛人形や五月人形などの節句人形の受注も行います。

この企画展の発端は、9月のとある日、筑前津屋崎人形巧房の原田誠さん(http://tsuyazaki-ningyo.jp)をみんなで訪ねた「うなぎ遠足」でした。「モマ笛」などのかわいらしい郷土玩具のイメージで伺ったのですが、津屋崎人形は古博多人形の流れを汲んだ土人形で、大きいものでは1m近くあるようなリアルな人形もあり、実に幅広いラインナップ。

土から生まれる土人形。人形の役割ってなんなんだろう。

これらの人形の原材料は、すべて土。江戸時代後期(1770年頃)、初代原田卯七さんが、現在の福津市在自(あらじ)という場所でとれる、良質の陶土を求めて、津屋崎町に移ってきたのが起源といわれています。津屋崎の土は良質な粘土質だったそうですが、取れる場所も人も減ってきて、現在は他産地の土を使っているそうです。

この土を形にする役割をはたすのが、型。こちらもかつては全て土で作っていたそうです!土で土をつくる。人間も土に帰るのだと思うと、土から生まれる人形が、人間の分身のような役割を果たすのもなんだか納得がいきます。土型を作るのは大変は手間で、効率も悪いため、現在では石膏型を使われていらっしゃいますが、原田さんの工房には、昔からの土型が1000点以上残っており、独特の存在感を放っています。

工程としては、土を型に入れ、乾かし、抜いて、焼くという非常にシンプルなものですが、「土人形をつくる」という行為そのものが非常に興味深いと思いました。なぜ、人間は人形を作りたがるのでしょうか。なぜ需要があるのでしょうか。雛人形・五月人形などは子供への「祈り」を人形に託す、という側面がありますし、リカちゃん人形・バービー人形なども子供の対話の相手。何か「投影」をすることで、心が軽くなったり、思いを形にすることができたり、忘れる事ができたり。土人形に至っては、長い時間が経てば、土にまた戻っていきます。なんだか浄化作用があるような気もしてきました。

人形や郷土玩具の世界は、実用性がないからこそ、興味深いです。今回は、原田誠さんが作られている大小さまざまな作品をピックアップし、うなぎの2階で一気に見ることのできる機会になります。また来週12月17日(土)には、「つくる現場をみてみよう」シリーズ第二弾ということで、筑前津屋崎人形巧房さんを見学できる機会を作りました!貴重なチャンスですので、よろしければ是非。

次回は、モマ笛(ふくろう)の「モマ伝説」が残る、宮地嶽神社について、少しご紹介したいと思います。

渡邊

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