【雑感にょろり】夫婦で笑う恵比須様。地元の石から削り出す。
【雑感にょろり】夫婦で笑う恵比須様。地元の石から削り出す。
商人の町、八女・福島地区。恵比須(えびす)信仰と、ご夫婦の恵比須さん。
うなぎの寝床のお店のある八女・福島地区を歩いていると、道端に石の祠を見かけることがあります。中を覗くと、たいていは鯛を抱えて笑っている恵比須様が座っています。福島地区は旧城下町の商人町(武士が不在の在方町)として栄え、商売をしている人が多かったためか、商業神の恵比須信仰が厚く、今でも福島町内にかなりの数が残っているそうです。
そんな恵比須様には、実は奥様がいることをご存知ですか?「夫婦恵比須」といって、男神・女神がセットの恵比須像が存在するのです。櫛田神社の有名な夫婦恵比須像(1778年)よりも古いものが八女・福島にもいくつかあります。うなぎの寝床のすぐ近く(西古松町)にも1713年の夫婦恵比須像がありますが、なんと昨年末、福島八幡宮の修復の際に祠の下から、さらに古いと思われる夫婦恵比須像が出てきたそうです!こうして未だに土の下に眠っているものが、この地域にはたくさんあるんだろうな…と思うと、なんだかワクワクします。
八女の凝灰岩と、石工の技術。原料があるからこその、ものづくり。
そんな石祠や石像は、阿蘇山の噴火によってできた八女の凝灰岩「長野石」が使われていることがほとんどです。古くから地元の石塔や石橋などに使われてきましたが、明治になってから、かまど・流し・石風呂などが普及したことで需要が増加し、長野石バブル時代が到来。戦後は庭用の石灯籠が人気を博しますが、ライフスタイルが変化していく中、現在の八女の石工業界はなかなか厳しいと聞きます。
しかし「原料」が地元にあるというのは貴重です。そそり立つ凝灰岩の岩壁はとても壮大で、その岩を命を落としてまでも削りだしながら、この地域の人たちは使ってきたんだと考えると、すごいロマンを感じます。久留米絣や八女手漉き和紙など、原料はもう地元では取れなくなっている伝統産業も少なくありません。そう考えると、長野石には加工次第で無限大の可能性が広がっているようにも思います。渡邊



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