【考えたこと】新たなチャレンジ。変わるべきことと、変わらざるべきこと。

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今、八女商工会議所と、八女の仏壇、提灯、独楽、石灯籠の職人さん、そして、うなぎの寝床、筒井花火さんのパッケージなども手掛けた中庭デザインオフィス、九州大学の池田先生、八女伝統工芸館と共に、JAPAN BRANDの事業に取り組んでいます。現実的な問題に直面しながら、試行錯誤を続けています。この事業が海外に販路を持って行くための事業なので、海外での展示会に出店する予定です。しかし、出店が目的となっても仕方ない(当たり前だけど)ので、現実的な問題を1つ1つ見ながら、解決策を考えていっているところです。

今回は、いろんな伝統工芸の職人さんがいらっしゃるのですが、「仏壇」という技術に焦点を当てて展開することが決定しています。仏壇は木地・宮殿、漆、金箔、蒔絵、鏨などの技術に別れ分業しています。その技術を分解して、中庭さんにプロダクトを考えてもらっています。具体的に言うと、カトラリーをつくっています。まだ全容はお知らせできませんが。実際、いろんな伝統工芸の方々と対峙して、現実的な「お金」のことにももちろん踏み込みます。すると、いろんなことが見えてきます。技術的な側面、価格的な側面。どこまで機械化して、どこまで最新の設備投資を入れるのかどうか。

「伝統」工芸という名前が僕は、あまりよくないと思っていて、やっぱり「伝統」ってつくと「変えちゃいけないんじゃないか?」という姿勢にどうしてもなります。それは違って、当時やっぱり先進的な取り組みをしていたのが評価されて、その集積が伝統になったわけで、大事な芯の部分は押さえながら、現代のニーズをしっかりとさぐっていったり、設備投資をして効率化を図っていったりということは重要だと思います。趣味や、一人が食べていくために仕事をやっていくのであれば、僕はあまり価格は関係ないと思います。その人の思いと、技術と考え方が物に乗り、それを応援してくれる人が、それを買ってくれる。それによって成立すると思います。

しかし、産業として考えていくと、やはりそれでは難しく、一般の普通の方々は、普段自分が買っているものと、価格を比較したり、材料を比較したりされます。しかし、今普通に流通しているものなどは、日本で作られていないもの、海外の安価な人件費でつくられているものも多いです。さらに言うと、海外の安価な人件費で作られているからといって、クオリティー(質)が悪い訳ではありません。やはり、戦後の日本がそうであったように、製造業は総量が増えると、値段が落ち、技術があがります。日本は今人件費が高いので、仕事の総量が少ない上に、時間がかけれない。という状態です。そうなったら、機械化を進め、効率化を図って行くしかないという選択肢になってきます。

んー難しい。やってみて色々分かることもあります。というよりも、やってみないとわからないことが多く、日々勉強しながら前に進んでいる感じです。伝統工芸だけに限らず、縫製工場、久留米絣、いろんな手工芸と工業の間くらいのものは、その辺のバランス感覚に悩まされていると思います。でも、くよくよ言っても仕方ないので、現在の状況をしっかりと分析しながら、最適な解決策を見いだしていくのが、今のところ仕事なのかなと思っています。こつこつがんばります。
写真は、漆塗りのサンプルと会議の様子。白水

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