【考えたこと】誰に伝えるか?そして、お金の話し。

2019

D&Department FUKUOKAで「わかりやすい九州ちくごのものづくり」というタイトルでの講演を終えました。今回は一般の方向けで1時間ということでしたので、筑後地域や、僕らが関わっているものづくりの現状や、うなぎの寝床としての取り組みについて話させてもらいました。最近、少しずつこういう人前で話しをさせてもらう機会が増えて、どういう人に向けて話すかで内容を変えた方が良いのか、正直迷っているところもあります。

先月に呼んで頂いた「クリベン」では、デザイナーや事業者の方々が対象だったため、がっつりと経営やイベントの仕掛け方など少し仕事方面に振って、お金の話しもかなりしました。「お金の話し」なんていうと下世話な話しに聞こえるかもしれませんが、お金は非常に重要なことで「伝統を守る!」なんて言葉で言っても、作り手の方々も生活があるし、家族がある。そのためにはもちろんお金が必要です。人間というのは基本欲深い生き物ですから、お金はその衣食住を支える媒体のようなものになりますので、結構大事です。最近は「小商い」という考え方もありますが、やっぱり大きな目で産業としてとらえると、少し大きい規模で物事を動かしていくことも必要だと思います。それがベースにあって「小商い」が成立する。

対して、D&Dでの話しは基本的に一般の方々に対して話しをしてくれ。という話しでしたのであんまりお金の話しをしませんでした。会は最後のアンケートを見せてもらうと大方が楽しかったという意見を貰えていたのですが、やっぱり、話す方としては消化不良な点がお金の話しです。伝統や技術、文化というのはもう、必ず必要な事だし、伝えていかないといけないこと。「それを残したい!」という人にもたくさん会います。ただどうするのかという部分での根本的な解決策は①しっかり世の中にニーズがあるものを作る。または②今ある物の良さを伝え直し、しっかり世の中に「これは使えるんですよ!」と伝える。→ものを売っていく→ものづくりのつくりても、それに関わる人も食える。という流れを方法です。

僕らのお店がやっているのは後者であって、あんまり新しいものを作るというよりも、今まであったものを見つめ直し、世の中に再提案するという手法。僕らは本当に媒体でしかなくて、何者でもないと思っています。淡々とやれることをやっているというに過ぎません。

何が言いたいのかよくわからなくなってきましたが、やっぱり一般の人に話す際も「ものづくり」や「伝統工芸」に関する「お金まわり」のことも知ってもらうべきなのではないか?ということです。テレビや新聞などのメディアはその辺をなかなか伝えづらいと思いますし、テレビや新聞の役割はそこを伝えることではないのかもしれません。作り手と関わる期間も基本的には取材の時だけ(それが悪い訳ではなくて、それが仕事だし、より多くの人に真新しい情報をパッと伝えることが仕事)。僕らの方が長い時間ものづくりに接している訳で、理解している範囲は広いはず。これからは、全てではないですが、少しはお金の話しも交えながら一般の人へ話す機会を設けたいなと思います。

あとは、実際にいろんな方に「つくりて」の仕事の現場を見てもらうこと。それは、こんなブログや写真で見るのとは全然違います。もっとリアリティがあります。のんびりとした時間が流れている工房もあれば、切迫した工場もあります。そんないろんな表情と性質を様々な人に感じて欲しいと最近思います。最近はいろんな方を工房へと案内する機会が多いので、その反応を見るのも一つの楽しみにはなっています(そればっかりになると、普通の仕事が切迫して製作地獄に陥ったりするので注意...一般の方まで案内することはまだやってません。申訳ない。)。

「工房見学などの斡旋」「観光案内」「内部の環境改善」「商品開発」などやることはいろいろありますが、少しずつ前へ進ませようと思います。

2020
D&Dの時は、話しをする前に聞いてみました。②が一番すくなくて、①③が多かったかな。

今からの参考にさせてもらいます。ありがとうございました。

白水

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