【商品案内】くせもの沢山 久留米絣のこと。

藍染め手織り久留米絣

もう、何度も書いたからいいかと思っていたのですが、新しくブログを見てくれる方も多くなったかもしれないので、もう一度書こうと思います。久留米絣の種類についてです。

久留米絣には、大きく分けると化学染料機械織り/藍染め手織りという種類があります。僕が久留米絣のことをちゃんと知りはじめたのは4年前ほど。もんぺ博覧会を企画したのがきっかけです。久留米絣というと井桁の模様の黒っぽい布というイメージが強く、正直当時はあまり魅力を感じていませんでした。それはあくまでも伝統工芸であって、僕らの世代には関係ない。そういう自分の中での位置づけですね。「伝統」という言葉がつくこと自体若い人を敬遠しているような気もするし、少し物に対して先入観を持って見てしまうような気がします。

ある時、妻と広川産業会館という施設を訪れ、いろんな絣製品を見ていました。そこにはやっぱりご婦人の方を対象にしたものが多く、僕が着れそうかなと思うものはほぼないです。しかし、その中でなにやら面白そうなズボンが。それが「もんぺ」です。そんな量はありませんでしたが「もんぺ」という名がついていました。「戦争」の「農作業着」のという先入観は僕にはあまりなく「これなら一度履いてみよっかな。」という気持ちで履いてみました。すると履きやすいことこの上なし。恐ろしく着心地がよかったのです。

そこから、久留米絣とは着心地が良いものだ!とう認識がはっきりして、もう少しいろんな世代にこの布の特性を知ってもらえるのではないかと、妻と「もんぺ博覧会」を企画しました。企画した段階でいくつかの織元さんを回ったら、そこにはカラフルな布がたくさん。目から鱗でした。地味な印象が強かった久留米絣の印象がそこでごろっと変わりました。それは昔ながらの藍染めではなく、化学染料を使用しています。化学染料と文字として表記してしまうと、なんだか悪いようですが、普通の服地と同じ染料ということですね。戦後化学染料が普及して、いろんな色や柄が織れるようになったようです。さらに、化学染料染めの工房はトヨタの自動織機を利用している為、手織りの何十倍かは効率が良く織れます。だから、値段も一般の人が買えるくだいまで落ちるのです。

うなぎの寝床が中心に扱っているのは化学染料機械織りのもんぺが中心です。しかし、昔ながらの藍染め手織りの久留米絣があります。これは、本当に美しいし、着ていったらまた手織り独特の風合いと変化が起こってきます。これは着てもらわなければなかなか表現しずらい所もありますが、育って行く感じです。藍染め手織りは糸の状態で藍瓶につけ、絞り、叩く。藍が空気に触れて酸化することによって色が定着していきます。僕らが扱っている藍染め手織りのクッションなどの布は、30回以上その染め、絞り、叩くという動作を繰り返し徐々に濃い色を出して行きます。なので、深い色合いが再現できるんです。

【藍染め手織り】と【化学染料機械織り】どちらも同じ久留米絣ですが、結構違います。それに加え、僕らは久留米絣の工房さんに無地を織ってもらいました。それは厳密にいうと久留米絣とは言わないのですが、柄が入っていないだけで風合いは同じです。なので、より手が届き安い形でその風合いを体感してもらおうと制作しました。だから一言で久留米絣と言っても、すごく幅が広い布産業なのです。厳密に言うと単子の久留米絣というものがあって、さらに幅があるのですが、そこはさておき。。。

価格で順位をつけるとすると【藍染め手織り】>【化学染料機械織り 柄】>【化学染料機械織り 無地】といったところでしょうか。細かくいうともっと色々あるのですが、久留米絣の工房は現在30件弱あります。もともと200件以上あった産業なので、残ってきた30件というのは、かなりくせ者の業者ばかり。それぞれが特徴を出すために、自分のところでしか出せない風合いや、糸使い、染色をしていて、とても面白いです。みんな機を独自に改造したりもしてます。

僕らは、小さいお店ですが、少しでもその現状や、布の特徴や特性を伝えて販売していくことができればと思います。うなぎの寝床も3年目に入って、一度ブログで書いたからいいかな。と思う記事も出てきましたが、僕たちの知識も少しずつインプットが増えてきているので、コツコツとそのインプットを書いていこうかなと思います。少し長くはなってしまいますが、興味がある方は読んでください。では、今日はこの辺で。

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白水

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