【考えたこと】昔の資料には、ヒントがたくさん隠されている。
先日、福岡県小郡市にあるテキスタイルの工房・翔工房に伺った時、主宰の田篭さんとあれこれ話していて、どこからそういう話になったのかわからないけど、いろんな資料の話になった。僕も本がわりと好きなので、幅広く浅くではあるが、いろんな資料を集めるクセがある。
翔工房で絣の昔の資料があったので見せてもらった。「もんぺ」もそうなのだけど、昔から残っている物や事にはしっかりとした理由がある。もんぺは1942〜3年に施行された婦人標準服という規格の中で活動衣として指定され、戦時中に強制的に国民(女性)が履かせられたことで全国に広がったと言われる。はじめは文化人の方などに「みっともない」と痛烈な批判をされながも、女性達はその着心地からもんぺで過ごすことが増えたという。そこから私たちが住んでいる筑後地方では農作業着として定着したのである。
上記のような文化的背景もふまえたら、機能的にはもう70年以上の歴史があり実証されているのである。その機能をもう一度【現代】という時代で再解釈するとどうなるかとはじめたのが、このもんぺのプロジェクトである。
何がいいたいかというと、歴史や昔の資料には本当に多くのヒントが隠されているということ。上の絣の柄も昔の久留米絣の本に載っていたものだ。たて絣、よこ絣、そして脱色の組み合わせで、とても面白い模様がつくられている。
こういう歴史的背景や文化背景を見ていたら、今でも通用するものがたくさんあると思う。僕はそれをもう一度見直し、それを現代に合うように編集して世の中に出すという編集者的立場でお店や活動をやっていけたらと思う。お店は、地域のアンテナショップとして機能させ続けることが大事だ。
白水