【日々のこと】沖縄との産地交流。絣
東京から帰って来て、いろんなことをやってます。東京で繋がった縁の方と、すこし実験的な取り組みをはじめたり、次の段階への仕込み作業を続けたり(あんまり言えないのが申訳ありませんが...)。
さて、沖縄の琉球絣と漆器の方々が、筑後地方に視察にこられました。以前こちらに遊びにきてくれたゆいまーるさんの繋がりからでした。うなぎの寝床にまずは足を運んでもらい僕らの取り組みについて少し話したあと、久留米絣の機械織りの工房・野村織物さんと、藍染手織りの工房・藍染絣工房さんを案内し、その後夜ご飯を一緒に食べ、あれこれと意見交換をしました。
全国でも絣を織ってる産地として機械織り(トヨタの自動織機)を導入して産業規模でやってるのは久留米だけだと思います。琉球絣も、昔から続いてきた産業ではありますが、手織りを続けていきながら、機械織りを導入するか否かいろいろと考えがあるようです。しかし、機械を入れるということは、今までの工程ががらっとかわったり、結構大きな費用がかかってきますので、絣屋さん一件でどうこうできるレベルではありません。
久留米絣は、組合でそれを決断し前に進んだという歴史があります。それによって、藍染手織りの昔ながらでやっている工房もあれば、機械織りを導入し、ある程度の量を織って価格を落とすことができる工房もあり、幅広い価値を持った布ができあがる産地になっています。
ただし、前提にあるのは今の広幅(90cm〜)の布に比べると、本当に手織りに近い風合で、ゆっくり織っているのでたくさん織れるといっても限りがある世界です。今、その物の良さや、価値をもう一度見直しながら、残していかなければいけない技術や精神と、現代の生活や様式にあわせた服や商品をつくりだすという、バランスが大事な時代になってきたのかなと感じます。
うなぎの寝床の役割は、いろんな機会をつくりだすことだと思っています。作り手、つかい手、メディア、小売店、卸屋さん、自分たちができる範囲ではありますが、少しずつ化学反応をおこしていけたらと思います。ではでは。
野村織物の工房にて。織り屋さん同士の話しはマニアックでわからない部分もある。
藍染絣織物の工房にて。琉球絣の手織り同士、つくる精神と価値観が似ているようで共鳴していた。
白水