布のリサイクル、もんぺの型紙。
明日からもんぺ博覧会開催します。
さて、去年現代風もんぺの型紙を開発しました。増刷に伴って、ここで一度開発した経緯などをもう一度振り返ってみたいと思います。
◎僕らがもんぺの型紙(現代風もんぺの型紙)を開発した経緯。
もんぺ博覧会の1年目。企画全体は僕の妻がおこないました。県立八女農業高等学校の生徒さんが農作業用にもんぺを仕立てるということを授業で行っています。 そこで、もんぺの型紙をおこしていました。その取り組みなどを紹介していたところ、地元の方から「もんぺはもうよかばってん、家に反物とか着物のどっさい(たくさん)あるけんが、そればもんぺに仕立てたかとよ。」という声が多くあがりました。
なるほど、筑後地方に住んでいる方々は結構反物や着物をタンスに眠らせていることも多いのです。そこで、2年目のもんぺ博覧会の際に、うちの妻と母で「着尺(反物幅)で効率よくつくれるもんぺの型紙」をおこして商品化をしました。これが、僕らがもんぺの型紙を開発した経緯です。
◎もんぺが全国に広がっていった経緯。
もう一つおもしろい事に、今回「もんぺの歴史」を調べていくと1943年(昭和17年)に婦人標準服という規格を厚生省が発表して、「もんぺ」はその中に、活動衣として指定されています。この時代は長着(着物)から洋服に変わっていった時代でもあります。戦時中ということもあり、布が不足していました。厚生省が発表した型紙は長着をほどいて短着(上半身だけの着物)ともんぺを仕立てることができる型紙だったのです。
◎リサイクルという観点で共通していた両者の型紙。
この厚生省が発表した型紙が、うちが開発した型紙とかなり似ていたのです。時代は変われど「反物幅の布のリサイクル」という観点で開発した型紙です。今回何の展示をしようかなと歴史をいろいろ調べていくと、こんなおもしろい事実がわかりました。会場では厚生省が出している資料(型紙等)も展示したいと思いますので興味あるかたはご来場ください。
また、遠くにお住まいの方は「現代風もんぺの型紙、通信販売ページ」から一応購入できるようにしていますので活用ください。
◎もんぺ博覧会
期間:5月29日(水)〜6月2日(日)
場所:八女伝統工芸館(企画 / うなぎの寝床)
白水