素材を活かす。八女新茶。
さ、先月の終わりころから八女茶の産地では、新茶がはじまりました。
うなぎの寝床は上陽の角田製茶さんのお茶を扱っています。八女、筑後には多くのお茶業者さんがあって、全部把握できる訳ではありません。それぞれのお茶屋さんがこだわりを持って味を決めています。なぜ角田さんのお茶を扱っているかというと実は「妻の実家で毎日、角田さんとこのお茶を飲んでいたから」という単純な理由です。僕にとっては5年ほどまえから日常のお茶となり、今では生活に欠かせません。
新茶を摘みはじめる前に、お茶畑や工場の様子を角田さんに案内してもらって見てきました。角田製茶さんは上陽の山手を中心にその周りにいくつもお茶畑を持っています。「お茶をつくっていて、どこが一番大事なポイントですか?」と聞いてみると「茶畑の状態ですね。いくら加工が上手であったとしても摘んだ原料の茶葉以上にはならないですね。あとは、その年の茶葉をしっかり活かすように製品にしていきます。」という答えが帰ってました。旧大内邸の田中真木さんも「大根は大根以上にはならない。」という言葉をおっしゃってました。どの分野でも素材の部分としっかり向き合い、活かしていくということが大事なのだなと考えさせられます。
今は、どの分野でも機械が発達してきています。もちろんお茶の分野でも手摘み、手揉みのお茶というのは「商売」としてやるのは非常に非効率で、伝統的に少し残っている部分あるものの、ほとんどやっていません(形はちゃんと受け継がれていくべきで、残して行かないといけないとは思います)。僕は機械が入る事自体は、まったく悪いことだとは思っていません。角田さんに工場を案内してもらうと、結局蒸し加減や、乾燥の度合い、タイミング、茶葉の見極めは人が行い、作業の部分を機械に頼るという方式です。最終的には人の経験と感覚が重要なのだなぁと改めて気づかされます。
僕らのお店は、その人達の熱みたいなものを、少しでも伝えながらモノをお客さんに届けていけたらと思っています。
◎ふだん着の久留米絣展
会期:2013年5月10日(金)〜5月19日(日)
場所:fab-fabric(福岡市警固)
◎天神ヴィレッジ Tenjin Village
期間:5月11日(土)〜19日(日)
場所:福岡PARCO 8F PARCO FACTORY
◎もんぺ博覧会
期間:5月29日(水)〜6月2日(日)
場所:八女伝統工芸館(企画 / うなぎの寝床)
山手の畑を案内してもらった。左は今もう摘んでいるだろう茶畑。右は二年目の畑(収穫はまだ先)。
茶。食べ物は自然との共生。変わる気候や自然の流れを捉えながら、世に出して行く。
蒸し具合を確認する角田さん。ちょっとした加減と塩梅が味を左右する。
一番茶。新茶は今は特上煎茶だけです。上煎茶、白折れは今から除所に入ってきます。
お茶屋さんがいれてくれるお茶は、これがまた美味いんだ。
2013/05/07
白水