【新作予告】 壁紙ブランド「WhO」とのコラボプロダクト(壁紙 & MONPE)
久留米絣で壁紙?
新たな視点から再発見する、久留米絣の魅力
うなぎの寝床は、これまで久留米絣を伝えるために、MONPEをはじめとした様々な商品をリリースし、生地開発をしたり、展示をしたり、イベントに参加したりといろいろな取り組みをしてきました。今回、地域文化商社として久留米絣をさらに広く知ってもらう、伝えていくために何ができるのかを考え、壁紙ブランド「WhO(フー)」と久留米絣をテーマに製品を開発しました。それぞれの織元、WhO、デザイナー、うなぎの寝床とで対話を重ねながら、久留米絣の生地を制作。うなぎの寝床からはその生地を使ったMONPEを。WhOからはその生地をデジタルスキャンし、壁紙として再構築しました。
なぜ壁紙なんだ?そもそも久留米絣でなくてどんな意味があるのか?という声も出てくるかもしれません。ただ、何もしなければ何かが生まれてくることはありません。どこに、どんな可能性があるのかもわかりません。だからこそ、これからの久留米絣、産地、地域文化のために、何ができるかを考え、チャレンジしてみる。今回はその取り組みの一つです。
どんな形であれ、まずは久留米絣という存在を知ってもらうことは産地にとっても大事なことだと考えています。今回の壁紙を通して久留米絣と出会ってくれる人が一人でも増えることを願っていますし、そこから何かが生まれはじめる未来もあります。「当たり前」というその枠の少し先まで進んでみて、どんな景色が広がるのか見てみようと思います。久留米絣を、着るものとして、見るものとしても、現代生活の中にどのように取り込んでもらうことができるかを模索していきます。
生地制作:丸亀絣織物・野村織物・坂田織物(順不同)
デザイン:pole-pole(ポール トゥ ポール)

久留米絣の不思議な違和感
矛盾する美しさ「あべこべ」
今回のデザインテーマを「あべこべ」としています。久留米絣の現場を訪れる中で壁紙と久留米絣のデザインを担ってくれたpole-pole(ポール トゥ ポール)から出てきた言葉です。久留米絣の本質的な魅力や価値を表現するために、絣特有のゆらぎに独特な面白さと不思議な違和感を覚えたことから、つくりてへのリスペクトを込めて「あべこべ」をテーマにデザインしてくれました。
他のテキスタイル産地と比べた時に、圧倒的に人の手が必要となる生産工程や非効率にも見えてしまう生産ロット、膨大にかかる手間。そして、つくりてが柄や模様をどうにか合わせようと苦心しながらも柄が掠れてしまう様子を見て、“久留米絣はズレている(かすれること)ことが魅力なのではなく、どうにかして図柄を綺麗に合わせようとする職人さんたちの気持ちが美しさをつくっている”ことこそが久留米絣の価値であり、魅力であると捉えてもらいました。そのつくりての気持ちを大切にしつつ、久留米絣の魅力であるあべこべさを表現するために、三角、ストライプ、ボーダーのシンプルに見える柄と久留米絣の技術を掛け合わせたデザインになっています。それぞれの3つの柄を、久留米絣の織元3軒と作り上げています。
インテリアとして「眺める久留米絣」
今までと異なる接点のつくり方
そして、この久留米絣の生地作りを経て、壁紙を制作し始めました。
技術的にも、精神的にも、久留米絣の全てが詰まった柄の「かすれ」、「染めの揺らぎ」をアイデンティティとしながらも、壁紙ではパターンのサイズを変えたり、色を変えたりすることで、空間の中にどう久留米絣を落とし込めるかを模索しました。壁紙というプロダクトを通して、久留米絣の魅力がこれまでと違った形で感じてもらえるのではないか、これまでと異なる広がり方や伝わり方になるではないかと感じています。部屋で、ホテルで、病院で、役場で、なんとなく眺めていた壁紙が実は久留米絣を感じるものだった。そういった久留米絣との出会い方があってもよいのではないでしょうか。どんな形であれ、まずは久留米絣を感じるものに触れてもらう、久留米絣を知ってもらう、そんな人たちを増やしていきたいと考えています。
これからWhOと壁紙を展開していく中で、実際にどんな広がりを生んでいけるのか楽しみにしながら、しっかりと取り組んでいきたいと思います。
合わせて発売するMONPEは現在鋭意生産中。続報をお待ちください!
「WhO」について
「WhO(フー)」は、より美しく、より愛され、より良い空間を目指し、新しい表現を模索する人のために2015年に立ち上げた壁紙ブランドです。2016年にはグッドデザイン賞を受賞。空間デザイナー目線で制作されたパターンや、多様なフィールドで活躍するクリエイターによるデザイン、プロダクトやサービスなど国内外問わずさまざまなブランド・企業とのコラボレーションから生まれたデザインなど、現在では3,000点を超える個性的で表情豊かなラインナップが揃います。
今回WhOと共に取り組むことで既存の久留米絣の枠を超えて、壁紙という久留米絣とまったく別物だからこそ表現できること、新たに久留米絣と接点を持つ機会や場面を作ることができるのではないかと考えています。久留米絣を久留米絣だけに留めるのではなく、新たな視点を持って、あえて異なるプロダクトと交わらせることで、これまでにない価値や可能性を見出していけるのではないかと取り組むことにしました。
デザイナー:pole-pole(ポール トゥ ポール)
「新しいデザインではなく、大切なデザイン」
このコンセプトを基にテキスタイルデザイナー達によって結成されたデザイン会社です。多種多様の企業さん、工場さんと一緒にデザイン制作や素材開発、商品企画を行なっています。〈今回のデザインについて〉
現地で織元の職人さんと話す中で、久留米絣はズレている(かすれること)ことが魅力なのではなく、どうにかして図柄を綺麗に合わせようとする職人さんたちの気持ちが美しさをつくっているのだと感じました。その気持ちを大切に考え、デザインを構築していきました。布地と壁紙の両方で活きるデザインになったと思っています。
もんぺ博覧会 in 福岡・八女にてお披露目!
会場には今回のコラボMONPEだけでなく、色柄豊富で多種多様なもんぺが総数約1,700本ずらり。是非会場に足を運んで、穿き比べ、久留米絣の着心地を体感してください!
第12回もんぺ博覧会 in 福岡・八女
うなぎの寝床 旧丸林本家
2025年 7月24日(木) ~ 8月3日(木)休み 会期中休みなし
営業 11:00~17:00
住所 福岡県八女市本町267(会場アクセス)
電話 0943-22-3699
駐車場 あり*参加織元:(順不同・敬称略)
野村織物・丸亀絣織物・坂田織物・下川織物*会期中は駐車場が満車となる場合がございます。満車の場合は、八女伝統工芸館前の無料駐車場をご利用ください。
詳細はこちら
その他のお知らせ

【意見交換会】 久留米絣がある風景を考える、壁紙制作を通して見えたこと (7/24)

【第12回もんぺ博覧会】 次は産地「八女」! 7/24(木)〜

【メディア情報】 テレビ朝日「こんばんは、朝山家です。」へ衣装協力しました

【つくりて訪問記 / 後編】 祭と風習。地域に息づくしごと / 筑前津屋崎人形巧房のしごと展

MONPEとなにする? 【奏・描・寺・雨】

【つくりて訪問記 / 前編】 公園の遊具もネイティブスケープである / 筑前津屋崎人形巧房のしごと展

MONPEとなにする? 【カフェ・撮・遊】
