【POPUP】 四国瀬戸内もんぺの旅 in 上勝町(徳島)
会期: 2025/05/10(土) 〜 05/11(日)
時間: 10日 10:30 〜 16:30 / 11日 10:00 〜 15:00
場所:上勝町ゼロウェイストセンター
住所 :771-4501 徳島県勝浦郡上勝町大字福原下日浦7番地2
四国瀬戸内の各地域で久留米絣もんぺの展示販売を行うイベント「四国瀬戸内もんぺの旅」を徳島県上勝町のゼロ・ウェイストセンターにて開催、色柄豊富なもんぺが約200本揃います。また、「ゴミを出さない社会」を目指す上勝町での開催にあわせて、うなぎの寝床が取り組む「資源をなるべく無駄にしないものづくり」の考えに基づいた商品もご紹介します。KAPPOGIやMINI BAGをはじめ、もんぺ製作時に出るハギレの詰め合わせなどもお持ちします。
そして今回は上勝町の木を使った糸や布製品の企画・制作・販売を行い、地域の特産品を活かした商品開発も手がける「合同会社すぎとやま」と一緒に展示販売を行います。上勝町の杉の木の糸を使ったファブリックブランドKINOFや日本の杉を使った国産天然繊維「KEETO(木糸)」そして上勝町の資源を活かした商品を販売します。
ゴミを生み出さない社会を目指す上勝町で、
ものとの付き合い方を考える。
徳島県上勝町は人口が約1,200人の小さな町です。どうしてこの町でもんぺのイベントをすぎとやま、そしてゼロ・ウェイストセンターで開催しようと考えたのか、少しお話させてください。
上勝町は「ゼロウェイスト宣言」を日本で初めて行い、ごみを出さない社会を目指した取り組みを町全体で行っています。2月に実際に上勝町に行き、町の方々に少しですがお話を聞いていると、肩ひじ張らず当たり前に地域の資源を大切にし、ものをなるべく捨てないような暮らしをしているように感じました。それはどうしてなのだろうと疑問に感じました。
すぎとやまの杉山さんと話しているときに徳島県には「あるもんで」という言葉があることを知りました。
“徳島弁で「あるもんで」と言えば、「あるものを使って」というだけの言葉の意味をこえて、身近にあるものを経験や想像力で何とかする、といったニュアンスまでを含みます。”
上勝町は面積の90%が山林に囲まれていて、コンビニもなければショッピングモールもない。無いからこそ、自然と自然から生まれる資源を大切にし、自分の手や知恵で工夫し解決する人が多くいるのだといいます。
私自身、上勝に行ったことで、インターネットであらゆる商品を買えて、徒歩で気軽にものが買えてしまうこの今の暮らしの中で、どのように取り組めるのだろうと考えてみました。
それは、結局のところ自分が買うものの背景を知ること、愛着を持ち、楽しみながらなるべく長く使うこと、そして役目を終えたものがどのようにごみとして処分されていくのかを考えることが大事なのだと思いました。シンプルですが、やっぱりそれが結果的にごみを出さない暮らしにつながります。
すぎとやまは上勝町の杉を使った商品や上勝の自然に触れられる商品を作っています。私自身KINOFのミニバスタオルを愛用していて、買った時よりもずっと肌当たりが柔らかくなり、気持ちがいい。お風呂上りに手放せなくなっています。KINOFに使われている杉は建材としては適さないものを使っているそうです。杉を糸にする技術(知恵)によって新しい使用用途としての価値が生まれ、使い手にとっても楽しく使えるように設計されている。こういう話を実際につくり手から聞くことでまたものを見る目が変わるように感じます。
また、うなぎの寝床も「使い手が楽しく、ながく使える」、「地域資源の活用」の視点を持ちながらものづくりをしています。
もんぺは、使えば使い込むほど気持ち良さが増していきますし、長年着続けて、穴が開いてしまったら修理をすることができ、修理箇所も味が出て愛着が湧くようになっています。
また、久留米絣は200年近く織られ続けている福岡の伝統的な織物です。その貴重な織物を使い、出来るかぎり無駄にしないよう商品を作っています。例えば久留米絣のもんぺは作れば作るほどハギレが出てしまいます。そのハギレを袋詰めをして販売し、購入してくれたお客様が自由に何かを作れるようにしています。更に、ハギレがなるべく出ないよう久留米絣の生地を最大限使用したKAPPOGIを作っています。
役目を終えたものがどうなるかを考える
上勝町にはゴミ収集車がなく、町民の方はごみを13種類43分別をしてゼロ・ウェイストセンター内のゴミステーションへ持ち込みます。その結果、上勝町のリサイクル率は80%を達成。センター内にある”HOTEL WHY”では宿泊を通じて上勝町の暮らしを体験でき、滞在中に出たごみがどのようにリサイクルされるか体験ができる「ごみ分別体験」にも参加できます。
実際にぼくも宿泊をした際に、分別体験をし、ゴミを分別した場合としない場合で処分にかかる費用の違いであったり、どの部分がリサイクルとして活用できるのかであったり、これまで考えたことがなかったものを「捨てる」ことについて改めて考えさせられました。
他にも、センター内には「くるくるショップ」という施設が併設されており、まだ使えるけれど処分されそうなものを町民が持ち込み、誰でも自由に持ち帰ることができます。
自分にとって不要になったものが、他の誰かにとっての価値あるものへと生まれ変わる。そんなふうに、捨てる前に立ち止まって考えるきっかけを与えてくれる場所だなと思いました。
ゴミステーション
くるくるショップ
ものが作られてからその役目を終えてごみになるまで「作る」、「買う」、「使う」、「捨てる」という4つの行程があります。上勝町はそれぞれの行程について考え、ものとの付き合い方を再考してみるきっかけをくれる場所だなと思いました。
ものを買うときに、それらの行程ひとつひとつがどうなっているのかを考えることは億劫と思うかもしれません。でも、それら行程について考えることで暮らしがより豊かになる側面も同時にあるのではと思っています。今回の上勝町のイベントでは、ものの背景を実際にお話ししながら、ものを使い続けることが楽しくなる、ものを見るときの認識が少し変わる体験をすぎとやま、上勝町ゼロ・ウェイストセンターと一緒に提供できたらと思っています。
イベント概要
四国瀬戸内もんぺの旅 in 上勝町(徳島)
会期 | 2025/05/10(土) 〜 05/11(日) |
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時間 | 10日 10:30 〜 16:30 / 11日 10:00 〜 15:00 |
場所 | 上勝町ゼロウェイストセンター |
住所 | 771-4501 徳島県勝浦郡上勝町大字福原下日浦7番地2 |
URL | 上勝町ゼロウェイストセンター HP |