tamaki niime 「純国産」への道のり

このコラムは「【八女・福岡】 tamaki niime てんてん 2024秋 “どんどん”」に関連した記事です。

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「どんどん」進化する
tamaki niimeを振り返る

旧大内邸(八女)とららぽーと福岡店にてスタートした「tamaki niime てんてん 2024秋 “どんどん”」。

うなぎの寝床での「てんてん*」の開催は5度目となります。今回は、この企画展のテーマを「どんどん」にしました。
これはtamaki niime自体が、常に実験を繰り返しながら「どんどん」と変化している様子を紹介したいと考えたからです。

そのために、まずはtamaki niimeの活動を振り返り、まとめることから取り掛かりました。初めはいわゆる「年表」の形式で整理しようとしましたが、多岐にわたる活動を淡々と時系列に並べるだけでは、tamaki niimeという生態系を捉えられないと思いました。

そこで、それぞれの活動を「つくる・いきる・つたえる」の3つに分類することにしました(下図)。ただ、1つに分類できない事柄がほとんどなので、そういった取り組みは円と円の重なりに配置しています。それぞれの活動は密接につながり合いながら、広がり続けている。そんなtamaki niimeの全体像を視覚的に表すことを目指しました。

中心にあるtamaki niime 創立から、自社での生産手段(設備)の多様化、無農薬野菜の栽培や動物たちとの共生、つたえる場の挑戦 etc…。広がり続けるの活動の上で、ついに今年、tamaki niimeが「純国産化」へと辿り着きました。

今回は、この表から出来事をピックアップしながら、tamaki niimeの活動を振り返ってみようと思います。

*「てんてん」とは?

作品づくりに携わっているtamaki niimeのスタッフが、全国各地の取扱店舗に直接赴き店頭に立ち、そこに訪れるお客様と直接交流することで、tamaki niimeの作品をより深く知っていただくための企画展です。この期間中、普段工場で作品作りをしているスタッフは、使い手となるお客様やさまざまな方とのコミュニケーションを通して、インスピレーションを得たりそこで吸収したものをtamaki niimeの新たな作品作りへと活かしていくための活動でもあります。

 

※あくまでもうなぎの寝床が解釈する、tamaki niimeの活動です。

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《2004》 tamaki niime 創立

– 播州織の新解釈と開発 –

tamaki niimeは、玉木新雌さんが2004年に兵庫県西脇市で播州織の新解釈と開発を目指して立ち上げました。福井県の洋品店で生まれ育った玉木さんは理想の布を探し求める中で播州織と出会い、試行錯誤の末2009年に代表作品となるオリジナルショールを発表。翌年には1965年製ベルト式力織機を導入し、自ら織るオンリーワンショールの製作を開始。先染めである播州織の特徴を生かした多色使いのむら染めや、柔らかさを極限まで追求したショールは高い評価を受けました。

 

《2014》 コットン 無農薬栽培 開始

– 風合いの追求は綿花栽培にも及ぶ –

tamaki niimeでは、毎日触れたくなるような着心地の良さを大切にし、空気を纏ったような軽やかで柔らかな風合いの生地づくりにこだわってきました。

そういった風合いを追求していく中で、素材であるコットンについてより深く知るために、2014年から綿花の無農薬栽培を始められます。また、素材からmade in Japanが広がるようにという想いで、綿花の種のおすそ分けや、収穫したコットンの買い取りもされています。

 

《2017》 米・野菜 無農薬栽培 開始

– 衣食住を越えて、人にも環境にも良いものを –

綿栽培をきっかけに「自分が今できること」を考え、人の生活の為の「衣・食・住」という観点に立ち返られました。

食べ物や電気があるのは当たり前とされる時代に、自分たちで創り出す術を知ることが必要と考え、お米や野菜の栽培を開始。野菜は季節ごとにサツマイモ、ブロッコリー、キャベツなど、種類豊富に栽培されています。

また、shop & labに社員食堂「tabe room」を構え、収穫した野菜を調理。毎月週末には、プロの料理人をお呼びする「腹ごしらえ会」という活動もtabe roomで行っており、こちらのイベントでは一般のお客様にもお食事を提供しています。

 

《2021》 羊仲間入り

– 多様な生命と共にある「niime村」-

素材の探究は、コットンに限らず、羊やアルパカなどの動物繊維にも及んでいます。また、それだけでなく、ヤギや鶏、馬、はたまた狼犬などなど…年々新たな仲間たちが広がり続けています。niime村の中で新しい命が生まれています。

土に、植物に、動物に、人。そこには生命の循環があるように思います。tamaki niimeのLaboには、様々な機械が立ち並ぶのと同じように多様な動物が暮らしている、不思議な風景が広がっています。

 

《2024》 純国産ショール完成

– tamaki niime、ついに「純国産化」へ –

そして、今年。今まで繊維業界では困難だった、素材から製品化まで全てを国内で行う「純国産」を実現されました。きっかけは、原料から糸をつくる「紡績」の内製化。紡績機を購入し、tamaki niimeで育ててきた、またおすそ分けを通して集めたコットンを原料に、自分たちで紡績に取り組み始めました。

これにより、「綿花栽培 → 紡績 → 織り・編み → 染色 → 縫製 → 販売」
全ての工程がtamaki niimeでできるようになりました。素材の探求のために育て続けてきたコットンが、ついに作品として形になったのです!

糸をつくる紡績を自社で取り組むことは、そう簡単なことではないそうです。そもそも紡績は膨大な設備が必要で、小さなスケールで取り組むことはまずあり得ないとのこと。それに真っ向から挑む姿勢が、やはりtamaki niimeの凄さだと感じます。

 

純国産で作り上げたショール。新店舗「tamaki niime okurimon(鎌倉)」にてご覧いただけます。

tamaki niimeの純国産化は、まだまだ始まったばかりに過ぎません。今回うなぎの寝床では、純国産のショールをお取り扱いすることはできませんが、これから先に様々な課題をクリアして、純国産の作品が店頭で並んだら…と想像します。

どんどん進化する、tamaki niimeに目が離せません。

 

どんどん進化する、tamaki niimeが勢揃い!

9/27(金)からスタートする「tamaki niime てんてん 2024秋 “どんどん”」。

今回のてんてんは、八女市(白城の里 旧大内邸)と福岡市(ららぽーと福岡店)の2拠点+オンラインショップで開催。それぞれの店舗で異なるラインナップをご紹介します。秋の新作やイベント期間限定の作品も入荷し、tamaki niimeスタッフ方の在店日(9/28・29)もございます。

また、旧大内邸ではtamaki niimeのものづくりに触れる「ワークショップ」も開催します!ぜひ会場にて、tamaki niimeを体感するひとときを楽しんで楽しんで頂けたらと思います。

白城の里 旧大内邸
営業 11:00〜17:00
休み 火・水
住所 福岡県八女市立花町白木3245
電話 0943-35-0415

うなぎの寝床 ららぽーと福岡店
営業 10:00〜21:00
休み 施設休業日に準ずる
住所 福岡市博多区那珂6丁目23-1 1F
電話 092-586-7860

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