銀峯陶器
銀峯陶器株式会社は1932年に創業した萬古焼メーカーです。陶磁器の卸商だった熊本拾松さんがより品質の高いものをつくるために独立し窯を開き、食器や土鍋などをつくり始めました。萬古焼は江戸中期に商人の趣味として始まり、東海道の宿場町であった四日市で発展したもので急須、花器、土鍋などの産地です。陶磁器に適した土が少なく、周辺には有名な窯場がいくつもあるなかで、新技術開発や海外輸出などの工夫により発展してきました。1950年代に耐熱原料であるペタライトを陶土に混ぜる技術を産地内で確立すると、耐火性の高い土鍋を量産できるようになり萬古焼の土鍋は全国へ普及しました。銀峯陶器では品質の良い数種の陶土をブレントした土をペタライトと混ぜ、独自の釉薬を施し、トンネル窯に入れ、約1200度の高温で24時間焼成します。現在は3代目代表の哲弥さんが息子の誠太さんと共に、昔ながらの土鍋だけでなく調理器具としての「PETARI」などを展開し、食器の延長としての鍋や器づくりを行っています。