【地域のこと/観光協会】比べることで八女茶を知る。お茶の世界へといざなう「八女新茶まつり」レポート / Yame Rediscovery vol.5

【地域のこと/観光協会】比べることで八女茶を知る。お茶の世界へといざなう「八女新茶まつり」レポート / Yame Rediscovery vol.5

毎年GWの新茶の季節に開催されている「八女新茶まつり」。できたてほやほやの新茶を楽しみ、八女茶の世界をより深く知るために、参加してきました。

会場には、GW中の観光物産館前の出店を含めると7件のお茶屋さんが集まりました。それぞれお茶を一つの場所で試飲して比べられるというのが、この八女新茶まつり最大の魅力です。

実際に7つのお茶を試飲させてもらいましたが、同じ八女茶の新茶でも本当に味が違う!甘みと苦みのバランス、口あたりがとろっとしているものからさらりとしたものまで、全然違いました。

土づくりや加工など、お茶づくりへのこだわりもお茶屋さんごとにさまざまです。また、言われるまで気づかなかったのですが、味以外にも「色」に特徴があるというところもありました。

こうやって実際に飲んで味わいながら比べることで、自分の好みの味を見つけることができます。そして飲み比べることで、ひとつひとつのお茶の味や作り手のこだわり、個性を知ろうと、お茶へのアンテナが鋭くなります。

正しく淹れると違いがわかる!「お茶の淹れ方レクチャー&テイスティング」

「八女新茶まつり」では、お茶の淹れ方とテイスティングのコーナーも楽しむことができます。そこで、おいしい新茶がさらにおいしくなる淹れ方・ポイントを教わりました。

一煎目のお茶は「甘み」がいちばん強く感じられるので、70℃ぐらいのお湯で甘みを引き出します。ポットからいきなり急須に注いではいけません。

ここで使うのが、湯のみと湯冷まし。お湯は一度容器に注ぐと10℃ほど温度が下がるそうで、ポットから湯のみ、湯のみから湯冷ましにお湯をうつすとだいたい70℃くらいのお湯ができます。必要なお湯の量もわかるし、なにより簡単にお湯の温度がわかるのがうれしい。

使う茶葉の量は、家族4人で淹れるときは8g、だいたい小さじ4杯くらいです。1人で淹れるときは、あまり茶葉が少なすぎるとよくないそうで4g、小さじ2杯くらいです。

そしてお湯を注いでいきます。今のお茶は、注いで30秒くらいで十分おいしくなるそう。つぎ分けるときは、お茶の濃さが均等になるように「回しつぎ」で注ぎます。ついだ後は、急須の中の茶葉のかたまりをほぐすように、トントンとならしておきましょう。そうすることで、茶葉が蒸れるのを防いで、三煎目までおいしくいただけます。

いよいよ一煎目のお茶をいただきます。熱くないので飲みやすく、八女茶特有のトロンとした口当たりで、とっても甘いです。これはペットボトルでは味わえない、まさに淹れたての美味しさと贅沢です。本格的なお茶をふだん淹れることのない私たちはとても感動しました!

二煎目からは、お茶の「苦み」と「渋み」が出てきて、ごはんやお菓子に合うよりスッキリとした味わいです。85℃くらいのお湯がいいそうなので、一度ポットから湯冷ましに注いで、急須に注ぎます。

ここで、簡単につぎ分ける方法を教えてもらいました。急須から全部湯冷ましにお茶を注いでしまうのです。「回しつぎ」では、もし飲む人が増えてしまったら濃さが変わってしまいますが、これなら人が増えてもお茶の味は変わりません。目からウロコ!

三煎目はお手軽に熱湯で淹れます。ここで簡単につぎ分ける方法をもうひとつ。別のきゅうすに全部お茶を注いでしまいます。そうすることで、冷めないし苦くなりすぎないし、お客さんに出すときも便利です。

甘さも苦さも味わえる、新茶ならではの味の変化に驚きのレクチャーでした。そして、お茶はなんとなく難しいという先入観がありましたが、これなら私でもできそうだと思えるくらい簡単!淹れる手順も含めて、旬の八女茶を楽しめたらいいですね。

お茶の世界への入り口。今しか楽しめない「新茶」を味わう。

こうしたイベントは、お茶に対する「アンテナ」を持つ人を増やすことができることだと感じます。はじめはお茶を入れる回数を「◯煎目」ということも知らなかった私も、今ではお茶ワードを見かけるとビビッと反応してしまいます。

奥深いお茶の世界の入り口としての「八女新茶まつり」。味の違いはなんだろう、値段の違いはなんだろうとアンテナを張り巡らせていくことでお茶を知り、まわりまわって生産者の方を助けるかもしれません。

そんな壮大なことを思っていなくても、八女の新茶は美味しいものです!今が1年でもっともフレッシュな新茶を、ぜひ正しい淹れ方で飲んでみてくださいね。河合

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