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【地域のこと/観光協会】スープを濁してはならぬ。うどんは体の感覚で作る。しげうどんに伝わる教えとは。Yame Rediscovery vol.43

3月 21st, 2019

【地域のこと/観光協会】スープを濁してはならぬ。うどんは体の感覚で作る。しげうどんに伝わる教えとは。Yame Rediscovery vol.43

福岡は「うどん文化」であることは、少しずつ認知が広がってきているかと思います。柔らかい麺にだしの効いたスープ。私も福岡にきてから、うどんを食べる回数は圧倒的に増えました。

福岡南部の筑後地域は、このうどん文化の土壌を生み出した場所なのです。意外と知られていませんが、福岡は北海道に次いで小麦の収穫量が全国で2位。その中でも筑後・佐賀にまたがる筑後平野が収穫のほとんどを占めています。

その歴史はなかなか古く、江戸時代から米の裏作として作られていたそうです。そのため八女・筑後地域では昔から伝わる郷土料理にも小麦を使ったレシピが多数あります。たとえば、耳たぶみたいな小麦粉の団子が入っている「だご汁」、和製クレープのような「ふな焼き」、小麦団子にきなこをかけた「ごろし」などです。

そんな小麦の産地ともいえる八女にはたくさんのうどん屋さんがありますが、うなぎのメンバーもよくお邪魔するのが「手打ちうどん しげ」です。どさっと「天ぷらの山」がテーブルにおかれ、うどんはごくシンプルなメニューのみ。優しいだしのスープに(他の福岡のうどんに比べると)少し弾力のある麺が特徴です。

今回は、これまでなかなかお話を伺うことのなかった大将の大坪博美(ひろみ)さんに、改めてしげの歴史や先代から守り続けている教えについて、伺ってきました。

今年創業50周年。しげに伝わる教えとは。

「手打ちうどん しげ」は1969年(昭和44年)4月15日に、土橋の日の出町で先代である大坪さんのお父様が創業しました。なんと、今年でちょうど50周年を迎えられるのです。その後1977年(昭和52年)に現在の場所に移り、今に至ります。

うどんの修行を終えた後、八女の同業者と一緒に製麺所を立ち上げたお父様ですが、数年後には辞めて、手打ちにこだわった店をはじめたそうです。

大坪さんは今でもお父様が伝えた教えを固く守っています。「スープを濁してはいけない」「肉うどんは絶対に作るな」「麺は自分の体の感覚でつくる」です。

確かに、しげには肉うどん・ごぼ天うどんなど、福岡では定番ともいえるようなメニューが見当たりません。別に盛られている天ぷらやかき揚げなども、別に楽しめるように工夫されています。面白いシステムだなーと思っていましたが、そこにはスープをスープとして味わってもらいたいという確固たる思いがあったのです。

麺も1日2回、小麦粉と塩を混ぜてこねた生地を寝かせ、仕込んでいます。季節や気候によっても小麦の状態は違うため、毎日おなじクオリティになるように、人間の方が小麦に合わせて調整するのだそうです。

10年ほど前からは息子さんご夫婦も店を手伝ってくれるようになり、いまは大坪さんのお姉さんも一緒に4人で家族で切り盛りされています。

謎メニュー「きなこうどん」の秘密。

今回、せっかくの機会だったので、ずっと気になっていたことを聞いてみました。しげのメニューにある「きなこうどん」についてです(詳細はこちら:https://bit.ly/1IRXoIz)

どうしてこのメニューが生まれたのか?聞いてみると、もともとは冒頭に挙げた「ごろし」というメニューだったのだそうです。小麦粉のお団子のようなものに、きな粉をかけたおやつ。大分などでは「やせうま」でも知られています。

しかしお客さんが増え、忙しくなってしまい、ごろしのためだけの仕込みが間に合わなくなっていきました。そこで生地をうどんに代えて「きなこうどん」が誕生しました。

小麦と塩ときなこ。非常にシンプルな組み合わせですが、ある意味しげの麺を一番シンプルに楽しめるメニューかもしれません。お腹に余裕があるときは、スープのうどんと一緒に、福岡の小麦文化に思いを馳せながら、ぜひデザートに頼んでみてくださいね。渡邊

◉手打ちうどん しげ
住所:福岡県八女市大字蒲原1163
電話:0943-22-2553
営業時間:11:00~19:30
定休日:木曜日
駐車場:10台程度


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