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【地域のこと/観光協会】お雛様が生まれる場所。工場の中は、分業の職人が集う一大産地だった。Yame Rediscovery vol.41

3月 14th, 2019

【地域のこと/観光協会】お雛様が生まれる場所。工場の中は、分業の職人が集う一大産地だった。Yame Rediscovery vol.41


3月10日まで開催されていた「雛の里 八女ぼんぼりまつり」では、八女福島のあちこちで雛人形が飾られていましたが、そもそも雛人形はどこで作られるのでしょうか?また八女はなぜ「雛の里」なのでしょうか?

実は雛人形・節句人形の生産額ランキングでは、埼玉県(主に岩槻市が産地)が44.6%で第1位ですが、福岡県は12.9%で第2位となっています(2014年時点)。八女はまさに全国的にみても雛人形の一大産地なのです。

実はその裏には、一から雛人形作りをはじめ、一社だけで八女を一大産地にまで成長させた会社があるのです。その秘密を探りに伺ったのは、♪八女人形会館~のCMでもおなじみの、フジキ工芸産業さん。

いつも通りがかってはいたのですが、大きな社屋と工場が並び、なかなか気軽に足を踏み入れられずにいましたが、ようやく念願叶っての初訪問。今回は雛人形づくりについて、商品部の原さんにお話を伺いました。


フジキ工芸産業のルーツは1932年(昭和7年)にまで遡ります。商家の出身だった藤木佐平氏によって創業され、木工玩具の卸業をしていたパイプを生かし、季節玩具・盆提灯などの製造・取扱をはじめます。

その後、高度経済成長期の真っ只中である1969年(昭和44年)、2代目社長となった藤木隆氏が全国規模の業務展開と生産規模を拡大して、大きく発展していきました。

雛人形はもともと分業制でできています。頭(かしら)と胴体部分のパーツがあり、それぞれに細かい工程がたくさんあります。フジキ工芸産業では、胴体部分のパーツを全て自社で生産できる体制をつくり上げてきました。

雛人形には大きく分けると、胴体に裂地(きじ)を埋め込んでつくる「木目込み人形」と、芯材に十二単などの衣裳を着せつけていく「衣裳着人形」があります。フジキ工芸産業では後者の衣裳着人形をつくっています。


今回その製作の一部を見せていただきました。まず驚いたのは、大量の生地ストックと、とても細かい裁断と縫製です。まさにミニチュアの着物を作っているようなもので、衣裳着人形用型紙も150種類以上あるそうで、その生産・管理は複雑です。

衣裳着人形の衣裳は、西陣織などの金襴や本格的な帯地などさまざまだそうです。6月の展示会で翌年用の雛人形の生産スケジュールを決め、1月末まで作り続けます。

雛人形の胴体部分は、藁(わら)を束ねた芯材を紙などで巻いてできており、腕には太い針金が通っています。原さんによると、衣裳を着せたあとに腕を曲げる技術は、特に雛人形の出来栄えを左右する重要な工程なのだそうです。

雛人形以外にも、五月人形や兜、幟(のぼり)の家紋や名前の染め、盆提灯なども作っているため、非常に大きな工場ですが、それぞれの工程は専業の職人たちが作っており、まるで小さな工房がたくさん集まっているよう。約200名の従業員の皆さんが働くフジキ工芸産業という会社の中に、雛人形をつくる一つの小さな産地が出来上がっていました。

非常に細かな作業が多く、一体一体仕様が違うものも
多いため、手仕事でないとできない工程が多くあり、思った以上に手間暇のかかるものなのだと、今回改めて実感することができました。

 


雛人形は衣裳の他にお顔(かしら)も重要です。伝統的なものとしては、桐塑頭(とうそがしら)と呼ばれ、生地の表面に胡粉を何度も塗り重ねたものがありますが、近年では型でとった石膏を使う本頭(ほんがしら)が主流となっています。

驚いたのが目の部分。ガラスでできているそうですが、なんと石膏を流し込む時点で入れておき、最後に切り出すことで、目を開かせるのだそうです。

その表情は確かに言われて見てみると、全く異なります。昔ながらの口を半開きにしたお雛様もいれば、丸顔のリカちゃん人形のような可愛い顔のお雛様もいます。時代とともに、雛人形の顔も変わっていっています。

飾り台も、高度経済成長期からバブルの時代までは、2m近くありそうな七段飾りなどの 豪華なものが売れていく時代だったそうですが、いまは奥行きが狭いコンパクトなタイプ が好まれるようになりました。
時代は変わっても、子供の無事の成長を願う親の気持ちは変わりません。また、雛人形は 季節や風習を伝える日本文化の伝え手でもあります。かつて禁止されながらも飾りたい、 という思いで生まれた八女の「箱雛」のように、文化が続いていくためには、その願いこ そが一番大切なのかもしれません。
実はお雛様は旧暦の3月3日(つまり4月3日頃)まで飾って楽しんで良いのだそうです。八女人形会館でも一年を通じてさまざまなお雛様をみることができますので、気軽な気持ちで一度訪れてみてはいかがでしょうか。渡邊

◉株式会社フジキ工芸産業
八女人形会館(ショールーム)
〒834-0024福岡県八女市津江711(国道3号線沿)
電話 0943-24-5550
営業時間 10:00-17:30(通常)
10:00-18:30(ハイシーズン: 11月上旬-4月下旬 / 5月下旬-8月上旬)
八女人形会館HP: http://yameningyou.co.jp
フジキ工芸産業HP: http://www.fujiki.com


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