【雑感にょろり】日本原種の紫陽花。海を渡って日の目を見る。

【雑感にょろり】日本原種の紫陽花。海を渡って日の目を見る。

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紫陽花の声「梅雨は私たちが主役よ!」

梅雨入り間もない九州。今日も朝から雨が降ったり止んだりしていて、どよーんとした湿気に覆われています。梅雨の時期は出かけるのがやや億劫になりますが、「今月は私たちの見せ場よ!!」とばかりに咲く紫陽花(あじさい)を見ると、出てきてよかったーと思います。小さい頃はカタツムリがすごく好きだったので、よく紫陽花の葉の裏からつかまえてきて、キュウリやニンジンを食べさせては、フンの色が変わるのを楽しんでいました。

日本原種の「ガクアジサイ」。ヨーロッパに渡って発展。

紫陽花も土壌の酸度によって色が変わるというのは有名な話です。酸性が強ければ青色に発色し、中性〜アルカリ性だとピンク色が強くなるそうです。いまでは世界中で広く栽培されている紫陽花ですが、なんと原種は日本の「ガクアジサイ」。日本の固有種なのでした。しかし平安時代から日本人に愛された桜などとは違い、紫陽花は脚光を浴びる存在ではなかったようです。18世紀にはヨーロッパへ渡り、各地で品種改良が進んでイギリス王立植物園にも植えられるなど、むしろ海外で珍しがられました。

シーボルトの人生にも登場。長崎と紫陽花。

江戸時代の鎖国中、1823年〜1830年までオランダ商館医として長崎へ来日したドイツ人の医者・博物学者のシーボルトも、紫陽花を愛した一人でした。植物学にも精通していた彼は、出島に植物園を作り1400種以上の植物を栽培したと言われ、オランダに帰還してから著した『日本植物誌』の中で、アジサイ属10数種についても記しています。そんな紫陽花にシーボルトが命名した学名の一つが「Hydrangea otakusa(オタクサ)」で、日本で恋愛結婚したものの、国外追放によって離れ離れになった妻の「お滝さん(オタキサン)」から取ったのではないかという逸話もあります。紫陽花という花から、日本と世界の関わりの歴史に思いを馳せるのもまた、梅雨の一つの楽しみ方かもしれません。渡邊

【雨の日のお出かけに】
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