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【大分 国東】アントニー・ゴームリー / アナザータイムXX

3月 9th, 2014

【大分 国東】アントニー・ゴームリー / アナザータイムXX

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山に佇むひと、何おもふ。

何の予備知識もなく、アントニー・ゴームリー氏の作品が国東にあるらしいという情報のみを頼りに福岡八女から思いつきで旅立ちました。国東半島というのは大分県北部、本州・四国に向って突き出た半島で海山両方の自然豊かな土地です。率直に作品について僕は心地よく、すばらしい作品だと思いました。僕はアントニー・ゴームリー氏の作品の中でCONCRETE WORKS, 1990 – 1993というシリーズを本で見たことがあって、人間の身体と感覚、錯覚について考えさせられました。

今回の作品はゴームリー氏自身から型をとって、鉄で整形したものです。なんだか、気持ち良さそうにたたずむ人に「いいなー。」という単純な羨ましさが沸いてきました。と、個人的な感想はこんな感じでですが、この作品は天台宗派の荒行「峰入り行」で歩く峰道脇に設置されている為(意図的に)、大きな議論を呼んでいるようです。下に、関係サイトの引用を張っておきますので、ご覧ください。この作品は国東半島芸術祭のプレイベントでの作品です。2014年3月1日〜3月23日が一応イベント期間で、それが終わったら、この作品に関しては残すかどうか議論があるようです。

パブリックアートというのは、人によって様々な見方があるし、土地性や歴史の文脈もあるので様々な議論が行われますが、その摩擦は僕はいいと思います。摩擦が生まれることによって、何かしらの感情や物理的な物や、事が生まれていく。そうやってよくなったり、悪くなったり、いろんな現象が起きる。それでいいんだと思います。僕は今回の件に関しては部外者で鑑賞者なので摩擦には介入していませんが、鑑賞者としては非常に楽しめました。ぜひ行ってみてください。

国東半島芸術祭 公式HP:http://kunisaki.asia/
アントニー・ゴームリー(antonygormley) HP:http://www.antonygormley.com/


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アントニー・ゴームリー 紹介(国東半島芸術祭HPより)

1950年ロンドン生まれ。
主に身体と空間の関係について探求する彫刻、インスタレーション、公共空間での作品などにより、国際的に高い評価を得ている芸術家。
1960年代以降、作家自身の身体および他者の身体の関係性を通して、自然や宇宙との関係において「人類はどこに立っているのか」という根源的な疑問を投げかける方法で、彫刻作品の可能性の開拓をしてきた。彼は美術空間を、新たな行動、思考、感情などを喚起する場であることを明らかにする試みを継続して行っている。
ブラジル銀行文化センター(ブラジル・サンパウロ・リオデジャネイロ・ブラジリア)、ダイヒトールハーレン(ドイツ・ハンブルグ)、エルミタージュ美術館(ロシア・サンクトペテルブルク)、ブレゲンツ美術館(オーストリア・ブレゲンツ)、ヘイワードギャラリー(イギリス・ロンドン)、キール美術館(ドイツ・キール)、マルメ美術館(スウェーデン・マルメ)、ルイジアナ近代美術館(デンマーク・コペンハーゲン)など、世界各国で個展を行っており、また、ベニス・ビエンナーレ(イタリア、1982年~1986年)、ドクメンタ8(ドイツ)などの著名な国際展にも出展している。公共空間での恒久的な作品として、エンジェル・オブ・ザ・ノース(イギリス・ゲーツヘッド)、アナザー・プレイス(イギリス・クロスビービーチ)、インサイド・オーストラリア(オーストラリア・バラード湖)、エクスポージャー(オランダ・レリスタット)など。
主な受賞歴にターナー賞(1994年)、サウス・バンク賞 ビジュアル・アート部門 (1999年)、バーンハード・ヘイリガー賞 彫刻部門 (2007年)、大林賞 (2012年)。大英帝国勲章(OBE)(1997年)。王立英国建築家協会の名誉フェロー、ケンブリッジ大学名誉博士、同大学のトリニティ・カレッジおよびジーザス・カレッジのフェローであり、2003年からは王立芸術院の会員、2007年からは大英博物館の理事を務める。

今回の作品に関してと、起こっている議論に関しての記事をいくつか紹介します。まずは、国東半島芸術祭のブログより引用です。ここでは、アントニー・ゴームリー氏がここで作品をつくるきっかけや、製作プロセス、設置、そして、今後この作品をどうするかという点について記してあります。

「アントニー・ゴームリーについて」

千燈プロジェクトを担っていただく、アントニー・ゴームリーさんはインドとスリランカに3年間滞在し、仏教を学びました。私はよく知らないのですが、S. N. Goenka (a student of U Ba Khin, a Burmese teacher)の元で瞑想についても学んだと、彼からのメールで知りました。ゴームリーさんのすべての作品は東洋思想の影響を受けていると言えます。仏教についても、また修験道についても、深く理解した上でこの場所への設置が出来ないだろうかと提案されたのです。彼は仏教に対して大きな尊敬の念を抱くと共に、おそらく私が思うに、国東半島は彼にとっても特別な場所なのだと思います。だからこそ、まだまだ歴史や実績のないこの芸術祭への参加をご快諾いただいたのだと信じています。「ANOTHER TIME XXについて」 ※邦題「もうひとつの時間」作品は、ゴームリーさん自身の身体をかたどったものです。素材は鉄、サビ止めのコーティング剤など含め何ら加工をしていない完全な鉄の無垢の塊です。国東市では古くから砂鉄が多くとれ、それを材料に鍛冶が刀を作ってきた歴史があると聞きました。私にとって、鉄という素材は火をイメージさせます。この国東半島のある高い場所に、常に灯がともり続け我々を明るく照らし続けて欲しいと言う思いから、ゴームリーさんには、この鋳鉄の作品を依頼させていただきました。

作品制作において、ゴームリーさん自らが鋳型となるべく、目を閉じ、口を閉じ、呼吸を止めて長い時間、音もほとんど聞こえない暗闇の中で静寂を保ちます。それは、瞑想をした時間の記録です。もしかしたらこの行為は、彼なりの行なのかもしれません。確かに、作品は一見裸像に見えますが、ほとんど身体のディテールのないこの像は、身体の内側自体を目に見えるようにするための仕掛けであるとも言えるでしょう。彼は、「身体は物体ではなく、我々が住む場所」と言っています。抽象的な言い方かもしれませんが、私にとってこの作品は、我々の魂を運ぶ器(うつわ)をイメージしているように感じます。この作品は無情です。見る者の想像の中で、自分自身をこの像の内側に宿らせ、像の視線の先に思いを馳せたときに、この作品が何であるのかが理解できるように感じられてなりません。

「設置のプロセスに関して」

この作品を、先日、眺望の開けた峰に設置しました。設置には、地域の山師の方(椎茸農家さん)をリーダーとして、国東で培われた技術や知識を元に計画が組まれました。以前その椎茸農家の方がこの険しい岩山に木材などをケーブルで輸送した経験を元に進めました。その脇に、制作のコーディネーターや美術輸送、構造計算のスペシャリストに入ってもらいました。彼らは国内のトップクラスです。設置が終わって、ゴームリーさんに連絡を入れました。今回の設置に関して、国東市の技術や知恵があったからこそ実現したことをお伝えしたところ、大変に感謝しているという内容のメールが返ってきています。制作のコーディネーターもこの様な設置方法があることは考えもしなかったと感想を述べています。地域の底力をとても誇らしく感じています。

「今後について」

この作品は、昼も夜も、風の強い冬の厳しい環境の中、雨ざらしで、鑑賞者が見ていないときも、常にあの山で瀬戸内海の方角を見つめながら、作品は立ち続けています。サビはまし、毎日少しずつ作品は変化し、当初あったはずの目や鼻、耳などは風雪によって削られ、やがていつの日か作品は消滅していくでしょう。東洋的な思想にそって考えるならば、形あるものはいつか消えてしまう。私にはそれが何年後なのか、100年持つのか、1000年持つのか分かりません。あの場所への設置が許される期間は、私には判断できません。

今回、作品が設置されるその場所について、地元国東市では大きな議論が生まれています。

実行委員会と仏教界との対話に続き、市民からも活発な意見が交わされ、作品の是非にとどまらず議論が継続しています。主催者である実行委員会は、今年の秋10月4日~11月30日にかけて開催する「国東半島芸術祭」終了後に、幅広く意見をお伺いしながら、作品の設置場所について検討していくことにしています。作品設置する場所までご案内するために、拠点を整備しました。そちらで、皆さんの意見を伺うためのアンケートを設置しています。ご意見は、そちらで受け付けることにしておりますので、是非皆さんのお考えをお聞かせください。この地域の皆さん、行政の方、六郷満山会、鑑賞される方々も含めて、幅広く皆さんで議論していただき、国東市の中でこの作品が最もふさわしい設置場所はどこか、実際に作品を見ていただき決めてください。出来れば、彼がこの作品を設置する際に考えた地形については叶えていただきたいです。

・眺望が開けた場所
・設置する箇所がアプローチからすぐに見えない場所

そして、その議論の結論が出るまで、それがたとえ期間限定になるとしても、この物言わぬ像に、皆さんの力で入魂していただけないでしょうか。

アントニー・ゴームリーさんから、メッセージが届いていますので、紹介させていただきます。

「アントニー・ゴームリーからのメッセージ」

国東半島、千燈地区に設置される作品「もうひとつの時間」について仏教における修行や瞑想の地としての長い歴史を持ち、広大な自然と森に囲まれた千燈地区。その丘陵の中腹に作品を設置させていただくことは、私にとってこの上ない名誉です。私は、彫刻をつくりはじめて以来、我々の身体に宿る内なる空間と、その外側に広がる広大な空間との調和について探求してきました。瞑想は意識と物質を橋渡しするものとして、私の全ての作品の礎(いしずえ)となっています。私の作品の多くがそうであるように、本作は私の身体で型を取ったもので、瞑想によって精神を集中させた時間の記録でもあります。この鉱物の塊は、外側に広がる広大な空間や宇宙に対して、我々の身体に宿る内なる空間を表しており、人々が自分自身をこの内に投影してくれることを静かに待っています。この彫刻は空を背景に、森、島々、そして海へと続く壮大な自然を見つめます。その目線の先にある景色を思い浮かべることで、私たちは人間が自然の一部であることを改めて感じとることができるでしょう。そしてこの作品が、我々が自分自身の内なるものの存在に気付き、穏やかな静寂と寄り添うための、器(うつわ)となることを願っています。

アントニー・ゴームリー
(訳:山出淳也)

国東半島芸術祭 総合ディレクタ− 山出淳也

続いて、大分合同新聞より引用。この作品に関しての議論。

国東市「峰道」に人体像設置計画 賛否両論

「国東半島アートプロジェクト」(3月1日~23日)で設置される鉄製の人体像をめぐり、主催者や地元の天台宗派、国東市民の一部で賛否が分かれている。設置予定場所が同派の荒行「峰入り行」で歩く峰道(みねみち)脇にあるためだ。実行委員会(会長・二日市具正県副知事)の説明不足もあり、市民の大半に事情は知られていない。伝統文化とイベントの折り合いをどうつけるのか、幅広い議論が求められている。

「お地蔵や不動尊なら別だが、聖地に裸体はどうか。ほとんどの会員が反対で、峰道のコースを変えることも考えている」。地元天台宗寺院の僧侶でつくる六郷満山会の青山良安会長(75)は不快感を示す。実行委事務局によると、像は国際的に活躍する英国の彫刻家アントニー・ゴームリー氏作で自身を型に鋳造したもの。衣服は表現されていない。2月中に五辻不動尊(国見町)に通じる山間部の崖の端に置く。峰入り行で通る大切な場所という事情を踏まえた上で、本人が熱望したという。作品の意図は何か。総合ディレクターを務めるNPO法人ベッププロジェクトの山出淳也代表理事(43)は「畏敬の念をもって存在する道祖神や精霊のイメージを求めた。鑑賞者が像の視線を借り、現在や過去、まだ見ぬ何かに思いをはせていく作品」と説明する。実行委は昨年10月、ゴームリー氏を現地へ案内。契約作業と並行し、地権者や付近を管理する千灯区民、満山会を中心に説明を重ねた。「峰入りのルートは過去にも変遷してきた。地元は現代アートで地域を活性化する趣旨を好意的に受け止めてくれている」(田辺隆司事務局長)とする。
ただ、難解なイメージの強い現代アートを活用したまちづくりでは、地元から反発や疑問の声が出ることは珍しくない。これまでゴームリー氏が現地で制作意図を話す機会はなく、市民からは「本人からの説明が必要」とする意見も。主催者側は同氏に解説を発信するよう求めているという。山出代表理事は「議論こそが地域を活性化させる。芸術祭本番に向け、説明を重ねたい」と話している。

<ポイント> 国東半島アートプロジェクト
国東、豊後高田両市を舞台にした現代アートイベント。今秋に開催予定の「国東半島芸術祭」のプレ事業としての位置付けで、恒久設置作品の蓄積や機運の醸成などが目的。主催は県と両市、ツーリズムおおいたでつくる実行委員会。

続いて、朝日新聞(朝日デジタル)より引用。この作品に関しての議論。

人体像問題、「終了後に協議」で合意

国東市国見町の五辻不動尊近くの峯道に英国人彫刻家制作の人体像を設置する国東半島芸術祭実行委員会の計画を巡り、計画に反対していた六郷満山会(地元寺院の団体)と実行委は22日、芸術祭(10~11月)終了後に像の扱いを協議することを条件として、計画地への設置に合意したと発表した。六郷満山会は芸術祭後の設置場所変更を求めるという。

計画では、人体像は永久設置の予定だったが、合意書では「あらゆる可能性を排除せずに協議を重ねる」とした。県と国東、豊後高田両市などでつくる実行委によると、合意内容は制作者のアントニー・ゴームリー氏に連絡済み。プレ芸術祭の国東半島アートプロジェクトが開幕する3月1日までに設置するという。

22日、六郷満山会と実行委は国東市で共同会見。六郷満山会の寺田豪明副会長は「本来は、峯道には像を設置してほしくないが、(実行委側にも)事情があると思うので、慈悲の心で(イベントの)期間中は目をつむろうということになった」と話した。

人体像は、ゴームリー氏が自分の体をかたどった高さ191センチ、重さ630キロの鉄製。修験行事「峯入り」で峯道を使っている天台宗の32寺院でつくる六郷満山会が13日、実行委側の説明不足などを理由に設置反対を表明していた。(新宅あゆみ)

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