我戸幹男商店
我戸幹男商店は1908年、山中漆器の産地「木地の山中」として知られる石川県の山中温泉地区で、我戸木工所として創業しました。山中漆器は、安土桃山時代の天正年間(1573〜1592)に、諸国山林伐採の許可書を持つ木地師が越前(福井県東北部)の山間部から石川県山中温泉に移住し「轆轤(ろくろ)挽き物」の技術が伝わり、その後、温泉客の土産物として広まっていきました。轆轤を使った精巧な木地づくりや、表面に模様を刻む加飾挽きにおいて、木材の表情を多彩に引き出すのが特徴です。それは厳選された素材・木地師の挽き・透明感のある拭漆仕上げによって成り立ちます。創業者である我戸幹男さんも山中漆器の木地師であり、現在は4代目の我戸正幸さんが受け継いでいます。木地師としての高い技術とデザイナーのコラボーレションによって実用性と芸術性を兼ね備えた漆器を作り出し、10年、20年先も美しいと言われるようなものづくりを心がけています。