人類の歴史「桶」 / 四国・瀬戸内 比較文化的 物産展
四国・瀬戸内 比較文化的 物産展 at 旧丸林本家(9/28まで)
九州(左):松延工芸(福岡県・八女市)/ 寿司桶
四国瀬戸内(右):谷川木工芸(香川県・木田郡三木町) / おひつ 3.5合
桶には人類の文明の中で欠かせない「容器」としての歴史がある。木から作る容器として、刳物(木をくり抜いて形成)、曲物(木材を曲げて形成)に続き、結物(木片を繋いで形成)という発展を遂げた。エジプトにその原型が始まり、ヨーロッパから中国へ伝来。日本には南宋文化が導入され始めた12世紀後半から13世紀初頭までに伝来したのではと推測される。洗濯、お風呂、おひつなど、生活必需品として利用された木桶は各地で生産されたが、プラスチックが台頭してからは需要は減少。
そうした背景の中、今なお桶づくりを続けている谷川木工芸(香川・木田郡)と松延工芸(福岡・八女)は、注文の多い時に助け合うなど、異なる地域ながら協力関係でもあるという。電子レンジ対応の木桶などの新しい取り組みや、天然素材の再評価など、それぞれが現代の桶文化を担っている。
《参考文献》
・うなぎの寝床 つくりて紹介 松延工芸
四国・瀬戸内のモノ、ずらり
見比べて紐解く、地域文化
土佐の鰹節に、愛媛のみかんジュース、木工、焼物、織物 …
うなぎの寝床 愛媛大洲店で紹介してきた「四国・瀬戸内」のものづくりを、八女でずら〜りとご紹介します。
「消費地ではなく生産地でものづくりを伝えるアンテナショップ」として、 2012年に福岡県八女市でスタートしたうなぎの寝床は、その土地らしさ(ネイティブ)の風景(スケープ)をつなぐ場所=「ネイティブスケープ」を定義し活動を続けています。 2023年からは、これまで九州を中心に取り組んできた活動を、異なる環境(四国・瀬戸内)で実践する「うなぎの寝床 愛媛大洲店」も運営。それぞれの地域で、それぞれの地域を軸とした地域文化を伝達していくことを目指しています。
その土地固有の文化とは何か?それぞれの土地性から生まれる生業が、どう固有なのか?そもそも、ものづくりは一つの地域で完結したものばかりではありません。「土地・自然・技術・人」など、多岐にわたる要素が混じり合いながら、相互に影響を受けながら営まれています。一つ一つを見つめるのはもちろん、他の地域とのつながりや比較で見えてくる発見もあります。
今回の企画展では、「四国・瀬戸内」のものづくりを、「九州」のものづくりと見比べてみます。比べて見える繋がりや、それぞれの地域の輪郭を捉え直すことを試みます。
四国・瀬戸内 比較文化的「物産展」
2025年9月12日(金)〜9月28日(日)うなぎの寝床 旧丸林本家
店休日 火、水 (祝日営業)
営業時間 11:00〜17:00
住所 834-0031 福岡県八女市本町267
電話 0943-22-3699
駐車場 あり
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