久留米絣を未来へ繋ぐ。プロダクトを越えたアップデートとチャレンジ / MONPE WhO

うなぎの寝床は、地域文化商社として久留米絣を伝える新たなチャレンジとして、壁紙ブランド「WhO(フー)」と2つのプロダクトを開発しました。織元、WhO、デザイナー、うなぎの寝床とで対話を重ねながら、久留米絣の基本技術を応用した技法で久留米絣の生地を製作。うなぎの寝床からはその生地を使ったMONPEを。WhOからは生地をデザインソースに壁紙を再構築しました。これまでの「当たり前」というその枠の少し先まで進んでみて、どんな景色が広がるのか。これからの久留米絣、産地、地域文化のために、何ができるかを考えるための取り組みの一つです。

生地製作:丸亀絣織物野村織物坂田織物(順不同)
デザイン:pole-pole(ポール トゥ ポール)

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【新作予告】 壁紙ブランド「WhO」とのコラボプロダクト(壁紙 & MONPE)

産地の風景が続くために、今できること

「まずは知るきっかけが必要だと思うんですね。久留米絣が、誰もが知っている有名ブランドみたいになれば良いと思っています。久留米絣?ああ、知ってるよって。誰に聞いても、知らない人なんか居ないくらいに認知されるようになっていかないと。久留米絣って名前だけでもまずは広がらないことには、この先はない」

「あくまでも、今までは魅力を伝える手段が衣類しかなかった。先人たちがやってきた結果がこれってだけで、これじゃなきゃダメっていうのはなくて。括りとか、染めとか、つまみとか、そうゆう技法を残していくためにアップデートの仕方は色々あっていいと思うんですよ。途中過程の価値が生まれるのが、必要とされるのが別のアウトプットであったら、僕はぜひそれをやるべきだと思っている」

「大阪万博に出展して痛感したことですが、久留米絣は全国的にはまだ全然知られていないんです。和装も減って知らない世代がますます増えているのは確実なので、危機感を持っています。産地が今後どうなっていくかを見据えた時に、いろんな分野の中でいろんな人に『久留米絣いいね』って言ってもらえることが重要だと思う」

今回、一緒に取り組んだ織元各社の代表に考えを聞いてみると、このような声が聞かれました。お店のある福岡県南部の筑後エリアは、久留米絣の産地です。うなぎの寝床は2012年から自社工場を持たないメーカーとして久留米絣を伝えるものづくりに取り組んだり、産地のこれからについて考えてきました。和服地として生まれて全国に普及した歴史から、現在も久留米絣の代表的な用途は着物や婦人服を中心とした衣料品です。ライフスタイルの変化にともなって、生産規模は最盛期の1/20以下となり、織元の数も年々減少を続けています。久留米絣のアイデンティティが詰まった柄や文様をつくるうえで欠かせない、機械括り工程の専業事業者はわずか1カ所で、残りは組合が活動するのみ。これまであたり前にあった産地の風景が続くことは、決してあたり前ではなくなっている状況が現実としてあるのです。

さらに、コロナ禍以降の社会変化にともなって、織元各社の体制も大きく変わりました。若い担い手が増え育成に奮闘されているところもあれば、ご自身の代で廃業を選択されたところもあり、産地は今まさに今後を左右する過渡期にあると言えるかもしれません。

このような背景もあり、久留米絣の産地の風景をこの先につなぐためには、従来の姿に留まらず、新しいチャレンジをしていくことが大切だと考えています。壁紙というプロダクトを通して、住まいや空間づくりの分野にも広がりができれば、新しく久留米絣と出会う人との接点を増やすことができるのではないか。また、すでにある技術を掘り下げ、応用することで、つくりての技術の向上や気づきが生まれ、未来につながる新たな価値を産地として見出すことができるかもしれない。そんな希望を込めた取り組みです。

田中

もんぺ博覧会 in 福岡・八女にてお披露目!

会場には今回のコラボMONPEだけでなく、色柄豊富で多種多様なもんぺが総数約1,700本ずらり。是非会場に足を運んで、穿き比べ、久留米絣の着心地を体感してください!

第12回もんぺ博覧会 in 福岡・八女
うなぎの寝床 旧丸林本家

2025年 7月24日(木) ~ 8月3日(日)

休み  会期中休みなし
営業  11:00~17:00
住所  福岡県八女市本町267(会場アクセス
電話  0943-22-3699
駐車場 あり*

参加織元:(順不同・敬称略)
野村織物丸亀絣織物坂田織物下川織物

*会期中は駐車場が満車となる場合がございます。満車の場合は、八女伝統工芸館前の無料駐車場をご利用ください。

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