【YAMAP・Timeless・うなぎの寝床 共同】 伝統工芸 × 山道具 開発プロジェクト
伝統工芸 × 山道具 開発プロジェクトについて
うなぎの寝床では「日常にある道具を山と結びつけ、違う視点で昔からある道具の良さに光を当てる」をコンセプトに、福岡市を拠点とし、登山地図GPSアプリ事業を展開しているYAMAPとともに、ものづくりを考える「ヤマ×ものづくりプロジェクト」を行ってきました。
今回、福岡県が実施する「伝統的工芸品新商品開発事業」の一環として、伝統工芸の商品開発やブランディングを多く手がけるTIMELESSとともに、YAMAP、うなぎの寝床の3社での共同プロジェクトを立ち上げ、福岡県の国指定伝統工芸品7品目の中から、3工芸(博多人形、八女提灯、八女福島仏壇)の技術を生かした山道具を開発しました。
YAMAP MAGAGINEにて取り組みついての記事が掲載されています。ぜひあわせてご覧ください。
うなぎの寝床代表 白水より
うなぎの寝床は2012年に「九州ちくごのものづくりを伝えるアンテナショップ」としてスタートした後、久留米絣のMONPEのメーカー、そして形態を少し拡張し「地域文化商社」として多くの地域文化やものづくりと関わってきました。特に伝統的工芸品を担う方々、産地の組合とも意見交換、事業を行っています。
伝統工芸は長く続いてきて、蓄積された技術や商品が確立されているが故に、他の分野の視点が入りにくいという特性もあると感じています。今回は「山」という視点から機能性や、用途など、他産業との協業の模索を行いました。我々の技術への理解度がまだまだ未熟なところもあり、もがいているところはありますが、なんとか試作まで行いました。今後商品化に向け、さまざまな検証を行い、正式な商品としてリリースできるようにします。
「伝統的工芸品新商品開発事業」とは
福岡県の伝統的工芸品生産事業者と高いブランド力や知名度をもつ企業やクリエイター等とのコラボレーションにより、新たなアイデアを取り入れた新商品開発・販売を支援する、福岡県が実施する事業。
開発アイテムの紹介
博多人形
◇ペグ
素焼きの博多人形は、室内で鑑賞する置物の特性上、そのまま山道具に転用することは難しい。また博多人形師は、人形だけでなく、博多山笠の制作など卓越した造形力をもっている。
これらの事実から、博多人形師の強みである造形力を生かし、異素材であるアルミ合金鋳物に置き換えることで、耐久性、機能性をもったプロダクトとして、先端に狛犬がついたテント用ペグの開発に挑戦した。
八女提灯
◇ランタン
シラキ工芸の既存提灯火袋に太陽光発電LEDライトを組み合わせた、携帯性のあるランタン。
吊っても、置いても使えるアイテム。
◇山提灯
既存提灯によつめ染布舎さんによる絵柄をつけた。通常の提灯と比べ、上下枠が薄く、素木でできているため、現代的な空間にマッチし、家にいながら山や自然に思いを馳せるきっかけとなるアイテム。オートキャンプなどでの使用も。
八女福島仏壇
◇ミニテーブル
八女福島仏壇は、いくつもの工程のなかで多くの職人が分業制で制作に携わり完成する。分業技術の中の一つである、木工技術によるミニテーブルを開発した。地獄組という技術にフォーカスしたもの、仏壇の抽斗などに使われる形をモチーフとしたもの、それぞれ異なる仏壇の特徴を生かした2種類のアイテム。
◇蚊やり
仏壇金具の加飾技術を生かして開発した「蚊やり」。
携帯性があり、吊りでも置きでも使用でき、お皿と組み合わせて日常づかいも可能。