【商品紹介】三種のきじ車を比較してみよう!

郷土人形・玩具展2019-2020
http://unagino-nedoko.net/kyodogangu/

玩具展で人形の次につくり手の数が多いのがきじ車です。きじ車といえば九州を代表する木製玩具。僕は四国出身なのであまり馴染みがありませんでしたが、それぞれの土地に根付いてきた色柄かたちの違いは面白いなと感じます。きじは開運や幸せへの「道案内」とされ、そのご利益は幅広くあるようです。

写真上のきじは、熊本県人吉地方に伝わる平家ゆかりの「きじ馬」。車なのか馬なのか、見た目はとても馬には見えません。ともかく意味は同じようです。毎年2月に開催される人吉のえびす市では露天に並べられた「きじ馬」を男の子に、「花手箱」を女の子への土産物として買って帰るのが習わしとなっています。住吉玩具製作所では一度は廃れかけたきじ馬を復興し、現在2代目の忠嘉さんが家族とともに製作にあたっています。荒削りの雑木に赤・黄・緑の彩色をし、松の木を輪切りにした車輪が2つ、頭部に「大」の字があるのが特徴です。
こちらのきじ馬は昔ながらの顔料を使った絵付け方法本塗り。通常の化学塗料を使った絵付けとは違い、柔らかな色合いで時間の経過とともに自然な色の変化を楽しむことが出来ます。

左下は福岡県みやま市瀬高町の清水寺周辺で作られているきじ車。清水寺の参拝土産として親しまれています。清水寺を開いたのは伝教大師・最澄で、大師をその場所に導いたのが一羽の雌雉子であったと言われています。九州地方の代表的な郷土玩具で、柳川市出身の詩人北原白秋の詩にも詠まれています。清水のきじ車は車輪が4つ、こちらの方が車感がありますね。雄雌があるのが特徴で、模様だけでなく大きさも違っています。

右下は大分県玖珠町に伝わるきじ車。大野原きじ車保存会はきじ車の保存伝承を行っています。玖珠町のきじ車は、江戸時代、子どもが生まれた祝として作られたのが由来です。昭和50年代半ばに途絶えるも平成2年、保存会がこの地に伝わる伝統の形そのままのきじ車の制作を始め復活しました。無垢で色をつけないこのきじ車は木の性質上、寒い時期の半年間しか作ることが出来ないそうです。

三者三様のきじ車、土地ごとの変化を経て今のきじ車になっているのです。前田

【住吉玩具製作所の通販】
https://shop.unagino-nedoko.net/?mode=grp&gid=2030115&sort=n

【きじ車 宮本の通販】
https://shop.unagino-nedoko.net/?mode=grp&gid=2021566&sort=n

<全つくりて>
英彦山がらがら鈴類窯元(福岡県添田町)/KITE HOUSE まごじ(福岡県北九州市)/隈本木工所(福岡県八女市)/清水きじ車保存会(福岡県みやま市)/サカタ商会(福岡県柳川市)/太宰府木うそ保存会(福岡県太宰府市)/筑前津屋崎人形巧房(福岡県福津市)/筒井時正玩具花火製作所(福岡県みやま市)/友田商会(福岡県福岡市)/トポスデザイン(福岡県筑紫野市)/宗像郷土玩具研究会(福岡県宗像市)/飛鳥工房(佐賀県佐賀市)/江口人形店 弓野人形(佐賀県武雄市)/尾崎人形保存会(佐賀県神埼市)/佐賀一品堂(佐賀県佐賀市)/のごみ人形工房(佐賀県鹿島市)/厚賀人形店(熊本県熊本市)/木の葉猿窯元(熊本県玉名郡玉東町)/しもうら弁天会(熊本県天草市)/住岡郷土玩具製作所(熊本県人吉市)/彦一こま(熊本県八代郡)/ID HOUSE(大分県玖珠町)/大野原きじ車保存会(大分県玖珠町)/FLATS(大分県国東市)/佐土原人形ますや(宮崎県佐土原町)/わら細工たくぼ(宮崎県日之影町)/荒井工芸所(福島県会津若松市)/山田民芸工房(福島県会津若松市)/Good Job!センター香芝(奈良県香芝市)

 

●郷土人形・玩具展2019-2020
販売日程:2019年12月13日(金曜日)~2020年1月5日(日曜日)
休み:火曜・水曜・年末年始休み(12月27日〜1月3日)
時間:11:30-18:00
会場:うなぎの寝床 旧寺崎邸
住所:福岡県八女市本町327
電話: 0943-24-8021

読み込み中…