【雑感にょろり】売れようが売れまいが、作りたいもの作る。織元インタビュー番外編③藍染手織り工房
【雑感にょろり】売れようが売れまいが、作りたいもの作る。織元インタビュー番外編③藍染手織り工房
久留米絣の多様性。元祖久留米絣の藍染手織り。
明後日16日からスタートする、福岡もんぺ博覧会。うなぎの寝床のオリジナルMONPEも含め、化学染料機械織り(といっても70年前のヴィンテージ織機ですが)で生産されている久留米絣がほとんどですが、伝統的には久留米絣は藍染手織りが基本でした。現代では、藍染手織りは生産量も少なく、手間のかかる分、生地の値段も高いので、なかなか服にするのはハードルが高い生地です。でも久留米絣の幅の広さも見ていただきたい!ということで、今年から藍染手織り工房の山村さんに染めてもらった、「藍染めもんぺ」もラインアップに加わっています。
化学染料から自然の本藍へ。葛藤もありながら、自分の道を突き進む。
4代目の山村健さん(66歳)は、久留米絣全体の需要が減少する中、父・衛さんの代から使っていた化学染料をやめ、1980年代以降は藍染めに一本化します。まだ天然染めに対する付加価値が今ほど認識されていなかった時代、すくもを使った本藍染めの値段と、化学藍(インディゴ・ピュア)の値段は、ほとんど変わらなかったそうです。「自分の表現したいこと」と「生き残らなければいけない」という相反する思いの板挟みになる中、一時は本藍と化学藍を混ぜていた時期もあったそうですが、最終的には「どうせ需要がないなら、自分のやりたいことをとことんやろう」と本藍染めのみを行うようになりました。
正解のないものづくり。それぞれの美しさを追い求めて。
色々な織元さんや染め屋さんに伺う度、ものづくりには正解ってないんだな、とつくづく思います。同じ藍染めでも、材料や手法、染め方のこだわりや求めている色など、全く同じものになることはありません。それぞれが「これが最も美しい」「これが最も正しい」という信念の元にモノを作っていて、必ずしも全ての人たちと意見が合うわけではありません。でも、それで良いのだと思います。山村さんも、売れようが売れまいが、求めている色や表現があったからこそ続けてこられたわけで、その軸をしっかりさせることが何よりも大切なのだと思います。
藍染めは、化学染料とはまた違って、不思議と目が癒されると言う方が多いです。昔とは違って多種多様な色が表現できるようになった化学染料の力もすごいですが、やはり久留米絣の基本の藍染めも是非見ていただきたい色です。数量限定ですが、もんぺ博会場にも持って行っています。見るだけでも OKなので、ご興味のある方は是非お声がけください。渡邊
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【数量限定】 Farmers’ MONPE いろは(全8柄)

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