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【地域のこと/観光協会】甕で守り育てた酢酸菌と、八女の土地の恵みが生み出すお酢 @江﨑酢醸造元/ Yame Rediscovery vol.32

2月 15th, 2019

【地域のこと/観光協会】甕で守り育てた酢酸菌と、八女の土地の恵みが生み出す「酢」 @江﨑酢醸造元/ Yame Rediscovery vol.32

みなさんは普段、どんな調味料を使っていますか?和食の基本の調味料は「さしすせそ」と言われ、砂糖(さ)・塩(し)・酢(す)・醤油(せ / 正油)・味噌(そ)の5つが欠かせません。

なんとなく目に見えにくい脇役の調味料ですが、ほぼ毎日摂取していることを考えると、一番気を使わなければいけない食材ともいえるのではないでしょうか。

スーパーに並ぶ調味料には、ピンからキリまで、価格の異なる商品がずらっ

と並んでいます。何が違うのか?良い悪いではないですが、化学的に合成して安く作る調味料がいまや市販品はほとんどなのが現状です。酢も同じように、果物や穀物から醸造発酵した「醸造酢」と化学的に作られた「合成酢」の2種類があるのです。

八女・豊福に「八女の酢」という大きな看板を掲げた「江﨑酢醸造元」は、伝統的な製法で原料から発酵する醸造酢を作っているお酢屋さん。2代目江﨑義彦さんの息子として、将来3代目を担うべく、日々奔走する若きホープ、江﨑和彦さん(24歳)に酢作りについて伺いました。

創業当時から住み着く「酢酸菌」たち。麹や果物がお酢に変わる。

そもそもお酢とは、酢酸(さくさん)を3~5%程度ふくんだ酸味のある調味料のことを指します。酢酸はいわゆるお酢に含まれる酸っぱい成分のこと。この酢酸は「酢酸菌」とよばれる菌によって作られます。

実はこの「酢酸菌」こそが、お酢屋さんの宝です。毎回作るたびに加えるものではなく、何年もお酢を仕込み続けてきた発酵槽や甕(かめ)などの容器に、酢酸菌は生息しています。極端にいえば、米や果物などの原料を発酵槽に加えるだけでお酢ができてしまうわけです。

創業当時からずっと守り育て続けている「酢酸菌」こそが、江崎酢醸造元の美味しいお酢を作ってくれているということなのです。

同時に酢酸菌が付いて酢に変わる「原料」もとても大切です。主に日本で作られる酢は「米酢」であり、日本酒と同じように、米・水・麹(こうじ)が原料となっています。麹作りもお酢屋さんの大切な仕事の一つです。

麹作りの工程は、日本酒作りと似ています。米を洗い、水を含ませ、しっかりと蒸し、麹菌を加えて、アルコール発酵させて麹をつくります。発酵は24時間体制で温度や湿度の管理をするそうで、かなりの苦労を要する作業です。

これに酢酸菌を加えることによって、酢酸発酵がすすみ、麹がお酢に変わります。いわば米酢は2段階発酵されている調味料なのですね。そこからさらに3ヶ月から6ヶ月、じっくり熟成させることで、お酢の芳醇な味わいがうまれます

江﨑酢醸造元では、白米が原料の米酢の他にも、玄米を原料とした黒酢や、りんごやブルーベリーなどをそのままお酢にした果物酢などがあります。中でも「柿酢」は甘くないまろやかなお酢で、米酢とは違った魅力があります。

「甘みを一切加えていないので、そのまま飲むと結構酸っぱいと思います。オススメは、お酒や焼酎などに入れる飲み方。まろやかでフルーティーな味わいになって、お酒が苦手な方でも飲みやすくなりますよ。」と和彦さん。私たちも使ってみましたが、米酢の代わりにサラダなどに使っても美味しいですよ。

「お酢はとっても身体にいいんです。そのことをお客さんにもっと知ってほしい。」

江﨑酢醸造元が蔵をかまえる豊福は、筑後川と矢部川に挟まれていて、清流に恵まれた地域。地形的に綺麗な地下水が多く集まることが、1代目がお酢づくりを始めるきっかけとなりました。

大学を卒業し、2年前に家業を手伝いはじめた和彦さん。家族経営の会社や工房では、家を継ぐ気はなかったとか、はじめは他の場所で経験を積もうと思ったということをよく聞きますが、和彦さんは継ぐつもりだったそうです。

「小さい頃から蔵まわりで過ごし、働く父の姿をみてきた。自然と、自分がここ以外で働く想像ができなかったくらい当たり前でした。」今は一から製造を学んでいるところで、新規の営業も任されているのだそう。

「お酢の効果だったり、使い方だったり、お客さんにもっと発信していきたいと思っています。最近はホームページを立ち上げたり、インスタグラムなどもやっています。」消費者の目線を忘れない和彦さん、お客さんに正しい情報をいかに伝えていくか日々試行錯誤です。

大量生産の酢は、短期間で強制的に酸度を上げる方法で作られるため、栄養成分がほとんど含まれないそう。原料から仕込み、しっかりと熟成させた手作りのお酢は、酢酸やアミノ酸などの栄養分がたっぷり含まれています。毎日使う調味料だからこそ、一度違いを試してみてはいかがでしょうか。


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