【福岡八女】馬場水車場

【福岡八女】馬場水車場・杉の粉お線香

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馬場水車場の杉の葉線香つくりは、自然と共に。

福岡県八女は線香の原料になる杉粉の産地です。昭和50年代。杉林業の副産物として杉粉生産が行われ、40軒以上もの線香水車が稼働していました。現在、現役で動いている線香水車は馬場水車場ともう一軒だけ。安価な輸入品との競争、後継者不足、水車から電力への転換などいくつかの理由があります。馬場さんは伐採後の杉山から杉葉を集め、水車を使って粉にします。杉林業と水資源、豊富な自然と密接につながった仕事なのです。

馬場水車場の水車ができるまで。

大正7年(1918)、横山村八重谷区(現在の八女市上陽町上横山)の有志21名が2,360円(現在の金額に換算すると約6千万円)を出資し、井堰と水路、水車場を完成させました。それを先代の馬場次男さんが昭和36年(1961)に敷地ごと買い受けました。現在は二代目の馬場猛さん。木製水車の寿命は約20年。馬場さんは還暦を間近に控えながら水車場の継続を決意し、平成20年10月に再建しました。こうして次世代に水車場はつながります。

馬場水車場の再建に際し、馬場さんは水車大工の野瀬秀拓さん、翔平さん親子に依頼しました。野瀬さんは現代の名工にも選ばれた水車大工、中村忠幸さん(故人)の最後の弟子。今回、野瀬さんは中村さんが21年前に作った水車を解体し、馬場さんが集めた杉材で再現しました。馬場水車場を通じ、水車大工の技も世代を超え、つながっていくのです。

未来への資源。水力、杉の葉。

グローバル化が進み、モノの関係性が見えない昨今、自然な原料、エネルギーを活用し、これだけのつながりを育んでいる馬場水車場の仕事は、伝統的でありながら、むしろこれからの私たちの暮らしのあり方を考えさせられる大切な仕事だと言えるでしょう。

馬場水車場のお香ができるまで。

1,杉葉を集める…伐採や間伐の杉山に入り、杉の枝葉を集めてきます。この作業は林業を営む人々にとって後片付けにもなります。
2.杉葉を乾燥する…集めた杉の枝葉から、葉に近い部分だけを切り、それを火室(ひむろ)で乾燥させます。
3.杉葉を製粉する…水車の動力でずらりと並んだ15本の杵(きね)を動かし、乾燥した杉葉を勢いよく搗き(つき)まる一日かけて粉砕します。馬場水車場は1日に約800kgの杉葉を粉砕することができます。
4.篩い(ふるい)にかける…粉砕した粉を篩いにかけ、目の細かいものだけを20kgずつ袋詰めします。目の粗いものは、もう一度杉葉とともに搗かれます。

通販はこちら:http://bit.ly/1VJs2yC

◯馬場水車場
〒834-1101 福岡県八女市上陽町上横山241−2
電話:0943-54-3586(見学は要予約)
駐車場:あり

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馬場水車場の杉の葉線香ができるまで

 

馬場水車場の杉の葉線香ができるまで

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